2013年8月16日06時59分

ルカの福音書身読の手引き(68) 宮村武夫牧師

宮村武夫牧師

子どものように神の国を受け入れる者
ルカの福音書18章15~30節

[1]序

今回はルカの福音書18章15節から30節までを味わいます。

15節から17節と18節から30節の二つの部分に分け、「神の国」(16節)、「永遠のいのち」(18節)、「救い」(26節)など鍵となることばに注意し、この部分全体のメッセージを聞きます。

[2]子どものように神の国を受け入れる者(15~17節)

(1)主イエスの祝福を願う場面(15節)の背景
当時の習慣。

(2)弟子たちの対応
「弟子たちはそれを見てしかった」。

①しかった直接の理由

②さらには幼子に対する考え

(3)主イエスの対応

①「幼子を呼び寄せて」

②「子どもたちをわたしのところに来させなさい」

③「子どものように神の国を受け入れる者」
イ.子どものように。
ロ.神の国を受け入れる。

[3]人にはできないことが、神にはできるのです(18~30節)

(1)ある役人(18節)と主イエスの問答(18~25節)

<第一(18~21節)>
①役人の質問、「私は何をしたら、永遠のいのちを自分のものとして受けることができるでしょうか」(18節)。

②主イエスの答え、19、20節。

③役人の答え、「そのようなことはみな、小さい時から守っております」(21節)。

<第二(22~25節)>
①主イエスのことば、22節。

②最終的態度、「すると彼は、これを聞いて、非常に悲しんだ。たいへんな金持ちだったからである」(23節)。

③主イエスのことば、24、25節。

(2)この問答を通して

①人々の思い、「だれが救われることができるでしょう」(26節)。

②主イエスのことば、「人にはできないことが、神にはできるのです」(27節)。

(3)主イエスに従う者への祝福(28~30節)

[4]結び

神の国に入ること、救いは、人の力ではできない。しかし神によって備えられている。その恵みを自らの無力さを認めつつ受け入れる道。

◇


宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。