2013年8月5日06時34分

ルカの福音書身読の手引き(57) 宮村武夫牧師

宮村武夫牧師

神の国
ルカの福音書13章22~30節

[1]序

今回の箇所を通して、神の国について主イエスの教えをさらに教えられたいのです。22節以下の厳しい教えの前に、18~21節の教えを与えておられます。励ましと共に戒めを。

[2]主イエスのエルサレムへの歩みの中で

①教え(22節)

②エルサレム、そこでの十字架が中心。33節参照。「だが、わたしは、きょうもあすも次の日も進んで行かなければなりません。なぜなら、預言者がエルサレム以外の所で死ぬことはありえないからです。』」

23節以下は、22節の光りの中で。「イエスは、町々村々を次々に教えながら通り、エルサレムへの旅を続けられた。」

[3]人々の問いと主イエスの答え

(1)23節、人々の問いの内容は、分を越えたもの。

(2)主イエスは、分を越えた人々の問いに直接答えられないで、人々がなすべきことを示しておられます。

(3)「努力して狭い門から入りなさい」(24節)
神の恵みを無にしない歩み、信仰の戦いを経て。

(4)「戸をしめてしまってからでは」(25節)
「時」を弁える必要。

(5)「不正」(27節)
26節に見る外面の関係ではなく、神の御心を知り従うことから離れないようにと。

(6)29節、神の国への招きと約束。厳しい戒めと共に慰め、参照詩篇107篇3節、マラキ1章11節。

[4]結び

33節、この箇所の結びとして警告と励まし、「だが、わたしは、きょうもあすも次の日も進んで行かなければなりません。なぜなら、預言者がエルサレム以外の所で死ぬことはありえないからです。』」

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宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。