2013年6月28日09時40分

ルカの福音書身読の手引き(23) 宮村武夫牧師

宮村武夫牧師

幸いと哀れ
ルカの福音書6章20節~26節

[1]序

今回もルカの福音書を読み進めましょう。6章20節から26節の箇所です。ここは、マタイの福音書5章3節以下と深い関係がありますが、それぞれ特徴もあります(マタイ「その人」、ルカ「あなたがた」など)。

[2]「幸いです」(6章20~23節)

(1)「貧しい者は幸いです。神の国はあなたがたのものだから」(20節)

(2)「いま飢えている者は幸いです。やがてあなたがたは満ち足りるから」(21節)

(3)「いま泣く者は幸いです。やがてあなたがたは笑うから」(21節)

(4)「人の子のため・・・」(22、23節)

[3]「哀れな者」(6章24~26節)

マタイの方にはない、ルカの特徴。申命記などに見る、神と神の民の契約関係を表すところでは、祝福と呪い(20と24、21節前半と25節前半、21節後半と25節後半)。

(1)富んでいるあなたがたは、哀れな者。理由は、慰めをすでに受けているから(24節)。

(2)いま食べ飽きているあなたがたは、哀れな者。理由は、やがて飢えるようになるから(25節)。

(3)いま笑っているあなたがたは、哀れな者。理由は、やがて悲しみ泣くようになるから(25節)。

(4)みなの人にほめられるときは、哀れな者。

[4]結び

(1)本当の価値判断

(2)「いま」、「やがて」
生涯の終わり、歴史の終わりから今を見ていく。はじめから今を見ていく。そうです。主イエス・キリストご自身こそ、アルファであり、オメガなるお方です。

(3)27節以下の命令との結び付き

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宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。