【CJC=東京】教皇べネディクト16世が、バチカン(ローマ教皇庁)に「教皇庁立ラテン語学院」(仮訳)を設置することを認可した。
ラテン語学院は、古代から現代までのラテン語に関する知識と研究を深めようというもの。
カトリック教会は、ラテン語の「保護者であり推進者」だったとして、教皇はラテン語を正しく理解することの重要性は増している、と指摘した。
カトリック教会は1960年代にミサでのラテン語使用を止め、現地語ミサに踏み切った。
しかし教皇は、伝統的な会衆が望む場合には、司祭が現地語よりはラテン語でミサを行うことを容易にするよう段階を踏んで来ている。
認可発表に当たり、教皇は、初期キリスト教以来、教会はラテン語を「自身の言語」としており、そのことは尊重されて来た、と述べている。
それを正しく理解することが、これまで以上に重要になったが、将来の司祭に哲学的、神学的訓練を施すためには、ラテン語の「表面的な」理解では有害、と教皇が語ったと、バチカン放送は報じている。
教皇は、オンラインでも設置することにしたラテン語学院は、全世界に向けラテン語と古典文化への新たな関心を広めることになろうとして、「そのような関心は、学術的世界だけでなく、多彩な国々や伝統から若者や学者にも向けられている点でも、何よりも重要」と述べている。