2012年11月17日18時32分

宗教の聖地からアニメの聖地まで―『聖地巡礼ツーリズム』が発行

『聖地巡礼ツーリズム』の表紙
 宗教的行為「聖地巡礼」を「観光」という補助線で読み解き、現代の聖地の行方を追った書籍『聖地巡礼ツーリズム』(星野英紀・山中弘・岡本亮輔編、弘文堂)が発行された。

 同書では各分野の専門家たちが国内外52の聖地を取り上げ、それぞれの聖地の歴史と時代の流れによる変遷を分析・解説している。

 同書が扱っている「聖地」は、エルサレムやカトリックの巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステラ、ルルド、また、世界遺産化を目指す長崎の教会群、四国遍路、富士山、「負の聖地」アウシュビッツなど多岐にわたり、キリスト教界で信教の自由の問題を巡って度々話題となる靖国神社も「国家と聖地」の章で取り上げられている。

 さらに宗教の巡礼地や伝統的な史跡のみならず、メディアの発信した情報によって近年聖地化したいわゆる「パワースポット」や、アニメの舞台となったことでファンたちがこぞって訪れるようになった神社仏閣にまで踏み込んでいる点が新しい。

 「動かず」、「変わらないもの」として見られることの多い聖地を「動き」、「変化する」現代の聖地として解読する新しい聖地巡礼案内書だ。

 価格は2205円(税込)。購入はこちら。