書評

『聖なる漁夫』 ペテロの生涯とアラビア王女のロマンスが交錯する物語

『聖なる漁夫』 ペテロの生涯とアラビア王女のロマンスが交錯する物語

『聖なる漁夫』は、イエスの弟子ペテロの生涯を、アラビアの王女のロマンスと重ねて描いた小説である。この書はベストセラーとなった同じ著者による『聖衣』と共に世界中で親しまれており、キリスト教と無縁な人も楽しく読める一大エンターテイメントである。

2019年07月02日22時02分

神学書を読む(47)「知的ゲーム」としての宗教論、キリスト教に未来はあるか? 『西洋人の「無神論」日本人の「無宗教」』

神学書を読む(47)「知的ゲーム」としての宗教論、キリスト教に未来はあるか? 『西洋人の「無神論」日本人の「無宗教」』

著者の中村圭志氏の特徴は、今までその宗教に興味がなかった人、特定の宗教を信仰しているわけではない人が読んでも分かるように解説することができるという点にある。本書『西洋人の「無神論」日本人の「無宗教」』は、そんな中村節の真骨頂だといえよう。

2019年06月17日21時45分

【書評】『パウロの弁護人』 世界的な新約学者が描く初代教会をめぐる思想小説 臼田宣弘

【書評】『パウロの弁護人』 世界的な新約学者が描く初代教会をめぐる思想小説 臼田宣弘

著者のゲルト・タイセンは、1943年生まれの現代の新約聖書学を代表するドイツ出身の世界的な神学者です。私がタイセンの著作を初めて読んだのは、神学校の最終学年で、読んだのは前年に日本語訳が出版された『パウロ神学の心理学的側面』でした。

2019年06月15日22時08分

励ましの一言がプレッシャーに? 現代日本人を読み解く『「承認欲求」の呪縛』という視点

励ましの一言がプレッシャーに? 現代日本人を読み解く『「承認欲求」の呪縛』という視点

他者に認められたい、承認されたいという欲求が、異常なまでに肥大化しつつあるのが現代日本人というわけだ。今回取り上げる『「承認欲求」の呪縛』は、こういった分野を取り上げている。つづめて言えば、一種の日本人論である。

2019年05月19日22時49分

神学書を読む(46)『神とは何か 哲学としてのキリスト教』

神学書を読む(46)『神とは何か 哲学としてのキリスト教』

キリスト者が「哲学」の手法で神を語ったとしたらどうなるであろうか。果たして「自分」という地点から「神」というアプリオリを語り得ることはできるのだろうか。本書はこの無理難題に挑んだ哲学者の「集大成」といってもいい快作である。

2019年04月23日22時54分

神学書を読む(45)神学的世界観の脱構築と再構築のために 『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』(上下巻)

神学書を読む(45)神学的世界観の脱構築と再構築のために 『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』(上下巻)

読書量は決して少ない方ではないと思う私にとって、「本との出会い」は何にも代えがたい喜びである。そして昨年に続き、今年も年始めにまた「遭遇」してしまったのである。タイトルは『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』。

2019年04月11日17時21分

神学書を読む(44)大貫隆著『終末論の系譜―初期ユダヤ教からグノーシスまで』

神学書を読む(44)大貫隆著『終末論の系譜―初期ユダヤ教からグノーシスまで』

本書は、聖書学者の大貫隆氏(東京大学名誉教授)の書き下しである。本書の目的を達成するために、どうしても邪魔になる「アプリオリ(先験的)な限定性」を取っ払う必要がある。それは「正典としての聖書」という枠である。

2019年03月22日23時54分

あの名作映画の原作を読む ルー・ウォーレス著『ベン・ハー』

あの名作映画の原作を読む ルー・ウォーレス著『ベン・ハー』

この作品は、ウィリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演の映画によって一躍、世界中に知られるようになったが、ルー・ウォーレスの原作小説には映画とまた違った味わいがあり、ここに紹介できるのは喜びである。

2019年03月20日16時09分

聖書をメガネに 『封印された殉教』への応答・その4 宮村武夫

聖書をメガネに 『封印された殉教』への応答・その4 宮村武夫

『封印された殉教』の上巻に続いて、待望の下巻の書評をなす機会が与えられ、感謝しています。上巻から下巻への橋渡しのため、著者の佐々木宏人氏は、私たちにとても有効な贈り物を与えてくださっています。

2019年03月16日18時20分

神学書を読む(43)『はじめてのアメリカ音楽史』に見る、米国音楽の底流に流れるキリスト教

神学書を読む(43)『はじめてのアメリカ音楽史』に見る、米国音楽の底流に流れるキリスト教

本書は、米国音楽史を各ジャンル別に章立てし、コンパクトにまとめた新書である。と同時に、米国音楽史にキリスト教がいかに大きな影響を与えたかを語る上で欠かせないエッセンスに満ちている。

2019年02月25日23時03分

神学書を読む(42)『ふしぎなキリスト教』の著者2人による新著『アメリカ』

神学書を読む(42)『ふしぎなキリスト教』の著者2人による新著『アメリカ』

新書は玉石混交である。だが本屋の店頭には、必ず平積みにされている。そして、数千円する本に決して引けを取らないものが数多くある。2011年に発刊された『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)もそのようなベストセラーの1冊である。

2019年02月11日13時35分

「正統信仰とは何か?」を問い掛ける渾身の一冊 『消された信仰 「最後のかくれキリシタン」―長崎・生月島の人々』(2)

「正統信仰とは何か?」を問い掛ける渾身の一冊 『消された信仰 「最後のかくれキリシタン」―長崎・生月島の人々』(2)

前回、「信仰の正統性」を問うことが歴史的に見て可能なのかという壮大な問題を、本書は内包していると述べた。そこで今回は、いよいよその中身に迫ってみたい。まず、一般的な見解について見てみよう。

2019年01月29日8時18分

「正統信仰とは何か?」を問い掛ける渾身の一冊 『消された信仰 「最後のかくれキリシタン」―長崎・生月島の人々』(1)

「正統信仰とは何か?」を問い掛ける渾身の一冊 『消された信仰 「最後のかくれキリシタン」―長崎・生月島の人々』(1)

著者の広野真嗣(しんじ)氏は、幼少期から教会に通い、洗礼は受けていたものの、高校以降は教会から離れてしまった。そんな彼自身の興味関心から本書は成り立っている。長崎県の生月島をめぐって、彼の「宗教に対する問い」が随所に散りばめられている。

2019年01月28日7時18分

神学書を読む(41)「創造論・進化論」論争を科学者側から解説した名著 『聖書と科学のカルチャー・ウォー』

神学書を読む(41)「創造論・進化論」論争を科学者側から解説した名著 『聖書と科学のカルチャー・ウォー』

米国は不思議な国だ。世界最先端の科学技術を持ち、世界経済のトップランナーである一方、2千年前の書物(聖書)を今なお後生大事に国家の根幹に据えている。世界の多くから疑問視され、解説され、そして「そういう国がアメリカだ」と啓蒙され続けてきた。

2019年01月16日19時59分

聖書をメガネに 稲垣久和編『神の国と世界の回復』への応答・その1 宮村武夫

聖書をメガネに 稲垣久和編『神の国と世界の回復』への応答・その1 宮村武夫

本書『神の国と世界の回復―神の国と世界の回復』には、長い稲垣久和先生との交わりの中で常に意識され続けてきた中心的課題が取り上げられています。各論の論者とその主題を一瞥(いちべつ)しただけでも、おのずから興味が湧いてきます。

2019年01月10日14時14分

「宗教」と「ビジネス」の新たな接点を提示する 小原克博著『世界を読み解く「宗教」入門』

「宗教」と「ビジネス」の新たな接点を提示する 小原克博著『世界を読み解く「宗教」入門』

本書は、私の恩師である小原克博教授(同志社大学神学部)が、東京で開催された「同志社講座」の一つとして担当した「ビジネスパーソンのための宗教講座―世界とビジネスを新しい視点で見るために」が原案となっている。

2019年01月09日14時58分

神学書を読む(40)聖書の奥深さを体感できる一冊 長谷川修一著『謎解き 聖書物語』

神学書を読む(40)聖書の奥深さを体感できる一冊 長谷川修一著『謎解き 聖書物語』

聖書、特に旧約聖書に関する書籍には、さまざまな視点から語られた良書がある。ここに新たな秀作が加えられることになる。それが長谷川修一氏の『謎解き 聖書物語』である。「聖書物語」とうたっているが、中身は旧約聖書の有名な記事に関する解説である。

2018年12月28日19時22分

現役牧師が心を込めてつづった「子育て本」ならぬ「親育ち本」! 『世界に通用する「個性」の育て方』

現役牧師が心を込めてつづった「子育て本」ならぬ「親育ち本」! 『世界に通用する「個性」の育て方』

キリスト教の牧師をしていると、教会内で聖書だけを語っていればいいと思われがちだが、実はそうではない。教会に来られる方からの相談に乗ったり、教会で過ごしている子どもたちやその親御さんたちと触れ合ったりする。

2018年12月19日19時20分

“まじめにおふざけ”しながらキリスト教を紹介! 『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』

“まじめにおふざけ”しながらキリスト教を紹介! 『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』

キリスト教界に長くいると、いつしか自分たちの文化や世界観が「あらゆるものの中で一番素晴らしい」と思いがちである。そう思うこと自体は決して悪いことではない。自分に対してOKを出すことで、今の在り方に肯定的に向き合える。

2018年12月10日23時08分

聖書をメガネに 『封印された殉教』への応答・その1 宮村武夫

聖書をメガネに 『封印された殉教』への応答・その3 宮村武夫

私にとって貴重な宝庫である本書への第3回の応答として、第2章「活発な教区司祭」に焦点を絞りたいのです。この章で3つの項目がそれぞれ対比的な側面から描かれています。この2章の全体構造を私は鮮やかな対比の妙の実例として受け取りました。

2018年12月02日22時29分

主要ニュース

コラム

人気記事ランキング