米カリフォルニア州レディングのメガチャーチ「ベテル教会」が、性的虐待疑惑を受け、長年ミニストリーのリーダーを務めてきたベン・アームストロング牧師を休職とする措置を取ってから、2カ月余りが経過した。最近発表した声明では、第三者の専門家を入れてガバナンスの見直しを行う考えを示すとともに、アームストロング氏の疑惑を調査する民間調査会社を公表するなどした。
ベテル教会は今月2日の声明(英語)で、教会のガバナンスや指導体制、内部文化を再検討するために、外部の専門家を招聘(しょうへい)することを明らかにした。これは、同教会の預言ミニストリーの監督で、かつて「ベテル・スクール・オブ・スーパーナチュラル・ミニストリー」(BSSM)のリバイバルグループ牧師を務めていたアームストロング氏に対する現在進行中の調査の枠を超え、教会の対応を拡大させるものである。
アームストロング氏を巡っては、BSSMの元学生が2月、2009年にさかのぼる性的虐待を告発する動画を公開。ベテル教会はそれを受け、同氏を休職とする措置を取った。
「私たちはより広範な指導部チームとして、私たちのガバナンス、指導体制、および文化を再検討するために、第三者の専門家を招聘することで、将来どのように改善できるかを理解し、対処したいと考えています。私たちは、明確な説明責任体制を確立し、ベテル教会に関わる全ての人々の安全を最優先事項とし、聖書が私たちのリーダーシップと文化に反映するよう求めている基準を維持していることを確実にしたいのです」
声明はまた、民間調査会社「シントラ・グループ・インベスティゲーションズ」が、アームストロング氏の調査を行っていることを初めて明らかにした。同社は20年以上の調査経験を持ち、「トラウマに配慮した調査プロトコル」と呼ばれる手法を用いているという。
ベテル教会はこのプロセスが継続中であることを強調し、ガバナンスの再検討に関連する追加の措置を数週間以内に発表するとしている。
「このような説明責任は単に正しいだけでなく、必要不可欠であると私たちは考えています」。声明はそう述べ、教会の指導部が、影響を受けた人々、現在および過去の学生、スタッフ、外部アドバイザーらと継続的に対話を重ねていると続けた。
「以前にも申し上げた通り、私たちは声を上げた人たちが経験している苦痛を軽視してはいませんし、早急に済ませようともしていません。このプロセスは、私たちにとって、そして何よりも神の御心にとって、深く重要なことなのです」
声明は、教会の指導部が関与する疑惑を含め、不正行為に関する懸念について、機密性を保持しつつ通報できる「セーフチャーチ」の活用についても強調した。このシステムは、第三者のプロバイダーであるマイトラテック社を通じて運営されており、匿名での通報が可能。また、通報内容がそのままの形式で保存されるなど、改ざん防止の措置も取られているという。
ベテル教会は、ワーシップソングや各種カンファレンス、BSSMなどの働きを通じて、世界的な影響力を持つまでに成長した。今回の新たな進展は、過去の疑惑への対応や指導部の説明責任を巡り、同教会が新たな批判に直面する中で起きたものである。
2月中旬の声明(英語)で、ベテル教会はアームストロング氏が関与した09年の事案に対する対応を再検討していることを認め、牧師と一般信徒の間にある権力勾配とそれに伴う責任に対する、より大きな認識の必要性を挙げた。
ベテル教会は当初、この声明を2月13日に発表した。2月初旬にアームストロング氏とBSSMの元学生の間に関する告発を認知したが、同氏は09年の事案について、既に公に悔い改め、ミニストリーから外され、数年にわたる回復プロセスを経たと説明。その後、同氏が不適切な行為を行ったことは確認されていないなどとしていた。
しかし、2日後の15日には、内容を更新した声明を発表。13日の声明は同日午後1時半時点までに把握していた内容に基づいたもので、同日夜にアームストロング氏に関連する重大な性的虐待の告発を含む動画を認識したと説明。この告発は「新しく、かつ以前は知られていなかった」ものだとし、同氏を休職とする措置を取ったことを明らかにした。
告発動画(英語)の中で、サラと名乗る女性は、当時牧師でありメンターであったアームストロング氏が、幾度となく性的境界線を越えてくる前に、「霊的な父親」を装って彼女を懐柔したと述べている。サラさんは当時23歳で、ベテル教会のインターンであり、BSSMの学生だったという。
アームストロング氏はこれまで、09年の出来事を「不倫」と表現していた。悔い改めて回復プロセスに入る前には、結婚生活の外で「不倫をしていた」「感情的な欲求を満たそうとして、一緒に働いていた女性と肉体関係に発展した」と述べていた。
しかし、サラさんはこうした説明に異議を唱えている。その関係は、合意の上、あるいはロマンチックなものとは決して考えておらず、霊的な権威と服従を強調する文化の中で懐柔されたもので、圧力を感じていたと述べている。
ベテル教会はこの他、1月にも、同教会の主要なプラットフォームに「ゲスト牧師」として繰り返し登壇していたショーン・ボルツ牧師への対応を巡り、謝罪する声明(英語)を発表している。
声明によると、ベテル教会の指導部は19年、ボルツ氏が自身のチームメンバーに性的ハラスメントを行っていたことや、事前にSNSで調べて知り得た情報を用いて偽の預言をしていたことを把握したという。ボルツ氏を登壇者から外し、関連する資料を撤去し、関係者に通知するなどの対応は取ったが、把握したボルツ氏の不正を公表することはしなかった。このことについて、副主任指導者のクリス・バロットン牧師は「重大な誤り」だったと認めている。
また、主任指導者のビル・ジョンソン牧師は、自身が「ブレーキをかけた」ことで対応が遅れ、さらなる被害が生じたと説明。ボルツ氏の元チームメンバーから被害を聞いた直後であるにもかかわらず、同氏とその著書を宣伝するインタビューに応じたことは誤りだったなどと謝罪していた。


















