新潟県糸魚川(いといがわ)市の住宅地で26日朝、クマが出没し、82歳の男性が襲われた。男性は右頬と左腕を引っかかれ軽傷を負った。命に別条はないという。新潟日報などが伝えた。
同紙によると、現場は糸魚川市青海の住宅街で、えちごトキめき鉄道・青海駅から約80メートルの場所。男性が26日午前6時半前、車を降りて配達作業をしていたところを襲われた。
クマは体長約1メートルで、男性を襲った後、山の方へ逃げたという。現場から約600メートル離れた青海小学校近くでも、男性が襲われた約10分後にクマの目撃情報が入っている。
テレビ新潟によると、クマが逃げたのは青海駅方面。男性は自力で車を運転して病院へ向かった。
男性はNHKの取材に応じ、「車から降りて後ろを振り向いたら突然、襲われた。あっと思ったが、本当に一瞬だった。やられたと思ったときにはクマは既に山の方に逃げていってしまった。朝早く、通勤や通学の時間とも重なっていたので、すぐに警察や消防に連絡した。まさかこんな町中で出くわすとは思わなかった」と話している。
テレビ新潟やNHKによると、新潟県内のクマの目撃情報は、今年4月から今月25日までに772件あり、昨年に比べて352件増加。今年、人がクマに襲われたのは今回で3件目で、この秋では初めてだという。警察や糸魚川市は、クマの出没注意を呼び掛けている。