イエス・キリストに魅了された人(8)花嫁の父 井原博子

2015年1月13日11時25分 コラムニスト : 井原博子 印刷
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+井原博子氏

さて、この辺でちょっといけずなことを書くと・・・。由子さんが結婚してからも私は時々お訪ねしていたが、中川義雄さんが達也先生にちょっとやきもち焼いているかなぁと思わないでもなかった。

無理もない。由子さんは、中川さん夫妻が36歳の時に生まれた一人娘。私は岩松を訪ねるたびに、「ああ、これが掌中の珠というものか」と、深~くうなずくものがあった。

お二人とも、自分たちはいつも地味なものを着ていたが、由子さんには娘らしい明るいものをいつも選んで着せていた。大阪、東京、どこへ衣料品の仕入れに行っても、まず由子さんのために一番良いものを選ぶのであろうと、私は思っていた。

特に義雄さんは、由子さんをいつもそばに置き、掌で転がして目を細めたり、ごしごし磨いたりしていた。

由子さんが運転免許を取り、かなり腕が上がった頃になっても、義雄さんは助手席に座り、「おい、クラッチ踏んで、サードに落として。・・・スピード出たら、はよトップに戻さんかい。信号、赤。止まれ!」

後部座席で聞いている私でもうるさく感じるのに、由子さんは従順で文句ひとつ言わなかった。私は感心すると同時に、「これで由子さんが結婚したらどうなるのだろうか」と、ひそかに心配していた。

心配は杞憂に終わった。由子さんは結婚後、今度はこんな紙を牧師館の壁に貼って祈るようになった。よくよく貼り紙が好きな人である。

夫を主と呼んで従います
夫をあがめます
夫を敬います
夫に感謝します

彼女は、父親に従順だったように、牧師である夫に従順な妻になった。そして、個性の強い中川さんも、自分よりずっと若い新垣牧師の前でよく折れて忍耐していたようである。

これは、新垣牧師も、年齢とかキャリアに気後れせず、牧師としての権威に立って対処していかれたことの結果で、本当に主は、最良の方を由子さんの伴侶として選ばれたと思うのである。

しかしそれと掌中の珠を奪われた父親としての感情はまた別物だったかな? と思わないでもない。

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井原博子(いはら・ひろこ)

1955年、愛媛県伊予三島(現四国中央市)生まれ。大学入試に大失敗し、これだけは嫌だと思っていた「地元で就職」の道をたどる羽目に。泣く泣く入社した会社の本棚にあった三浦綾子の『道ありき』を読み、強い力に引き寄せられるようにして近くのキリスト教会に導かれ、間もなく洗礼を受けた。「イエス様のために働きたい」という思いが4年がかりで育ち、東京基督教短期大学に入学。卒業後は信徒伝道者として働き、当時京都にあった宣教師訓練センターでの訓練と学びを経て、88年に結婚。二人の息子を授かる。現在は、四国中央市にある土居キリスト教会で協力牧師として働き、牧師、主婦、母親として奔走する日々を送る。趣味は書くこと。

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