賀川思想の特色は「深い贖罪愛」 阿部志郎名誉学長

2009年5月25日13時43分 印刷
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+明治学院大学で開かれたシンポジウムで発言する阿部志郎・神奈川県立保健福祉大名誉学長=4月29日
明治学院大学で開かれたシンポジウムで発言する阿部志郎・神奈川県立保健福祉大名誉学長=4月29日
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神奈川県立保健福祉大の阿部志郎名誉学長が、賀川豊彦献身100周年を記念するキリスト教放送局FEBCの特別番組(23日放送)に出演した。阿部氏は、賀川思想の特色は「(イエス・キリストの)深い贖罪愛」にあると指摘し、「魂の救いと生活の解放を切り離すことなく、人類の愛と協同という壮大な夢の実現のために命をささげた賀川の生き方の前に、謙虚になることが私たちに求められています」と語った。

わずか5歳で両親を失い、親の愛を十分に受けることなく成長した賀川。その心の支えとなったのは、慈愛に満ちた宣教師C・A・ローガンとH・W・マヤスの愛情であった。賀川は彼らに「イエスを見た」と告白している。賀川が後に幼児教育に熱心となったのは、このようないきさつがあったからと阿部氏は分析する。

現代の日本に生きる子どもたちの現状について阿部氏は、昔のようなスラムはないが、家庭での虐待や不登校、家出、果ては自殺に追い込まれたり、親に殺されたりする子どもたちも少なくない事実を考えると、性質は異なっても、賀川の時代と同じく多くの問題に直面していると指摘。「だれがどうやってこの愛されるべき存在である子どもたちに愛情を降り注ぐのかを、私たちは厳しく問われています」と述べた。

そのうえで、「(親から愛されない子どもを)親に代わって市民が愛し、社会が責任を負う、そのような民主的な市民社会の形成を賀川は心に描いていた」と紹介。賀川が「社会の悪は愛の欠乏から来る」との認識を持ち、「相愛扶助」の精神を訴えていたことを強調した。

民族や国家、宗教を超えて人を包み込む賀川の人間的広さの背景には、「すべての人は神の家族である」というキリスト者としての信仰があったと指摘。「キリストの十字架によって罪ゆるされた者として、人と人、民族と民族の和解のために、悩む人、貧しい人とともにあろうとしたのが賀川でした」と語った。

20世紀という時代について阿部氏は、「戦争の世紀」であると同時に、福祉国家の誕生やNPOなどのボランティア活動が発展を始めた「愛の世紀」でもあったと評価。「愛の20世紀を切り開いてきた賀川豊彦に続いて、この愛と平和の21世紀のために努力するのが私たちの責任なのでは」と訴えた。

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