聖書をメガネに 国立公文書館訪問記―加藤丈夫館長から「時を貫く記録を守る」を学ぶ 宮村武夫

2018年3月10日20時42分 コラムニスト : 宮村武夫 印刷
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国立公文書館の加藤丈夫館長(中央)=8日、国立公文書館(東京都千代田区)で
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3月8日午後3時、雨が降り寒さを覚える中、北の丸公園隣接の国立公文書館を訪問、私より40歳以上若い矢田喬大社長と共に、加藤丈夫館長からよく整い静かな情熱が伝わってくる特別講義を、家庭教師から教えられるように拝聴する機会を与えられました。また、引き続き建物全体を案内していただき、それぞれ各施設の興味深い機能・役割の現場を見学したのです。

事の始まりは昨年10月1日。高校卒業60年記念同期会で加藤兄と再会、愉快なひとときを持ちました。そればかりでなく、その後も文通や電話を通して互いの現在の働きや考え方などを分かち合い、交流を深めながら、今回の訪問が実現しました。

神の民の記憶と記録を通して成立した聖書は、まさに公同の文書・公文書であり、その文書を日々に、そして60年余読み続けてきた私にとり、「国立公文書館」は、心の底より親しみを覚える名称であり、存在なのです。

北桔橋門が見える、趣のある館長室へ案内され、矢田社長の紹介を終えると、加藤館長はごく自然に、準備した資料に基づいて説明を始めました。何かとても重みのある話。資料の名称が印象的です。「時を貫く記録を守る」。公文書館とは何か、公文書館は何を目指しているのかが伝わってきます。

さらに副題からは、より具体的に加藤館長をはじめ、職員一同の心意気が伝わってきます。「世界に誇る公文書館の実現を目指して」。資料の内容は以下の通り、規模が大きく多面にわたる重要な事柄が盛り込まれています。

1. 国立公文書館の現状
・国立公文書館は国の歴史的な重要文書を保存・管理し、それを広く国民が利用できるようにする国の機関(独立行政法人)
・国立公文書館が所蔵する文書は約142万冊
・アジア歴史資料センター
・展示会の開催

2. わが国の公文書管理
・記録の収集と公開
・諸外国に比べ見劣りする公文書の管理
・公文書管理が立ち遅れた理由
・公文書管理の基本ルールの制定
・公文書の移管・受け入れの流れ

3. 今後の課題
・公文書管理に関する基本ルールの徹底
・新国立公文書館の建設
・所蔵文書のデジタル化の推進
・文書管理の専門家(アーキビスト)の養成

4時半過ぎに、知的興奮と満足をもって公文書館を去ろうと杖をつきながらタクシーに乗るとき、私の心にもう1つの深い喜びが静かにあふれていました。そうです、本物の人物をクリスチャントゥデイの年若き社長に紹介し得た喜びです。

クリスチャントゥデイの働きに参与する決断をする前後、エステル記4:14は、深く重い意味を持ちました。私の受けたすべての訓練、その任に当たったすべての場で受けた経験のことごく、そして敬愛する松谷好明先生が、「華麗なる宮村人脈」と称してくださる、損得を離れて結ばれている本物の人間関係すべてを、クリスチャントゥデイが目指す、損得を離れた福音宣教のために、わが身・生活と共に注ぐ決断を下し、実践しています。

現在、2カ月に1回、母校開成高校の卒業生を中心に、クリスチャントゥデイの会議室でペンケン祈祷会神田の集いを継続しています。常連の1人、東工大名誉教授が、開成パワーをクリスチャントゥデイに注ごうと語り掛けてくれました。「開成パワー」とは、私の理解する限り、年若きときに本物の人物に出会い、その薫陶を受ける恵みからにじみ出てくるものと理解します。

加藤館長と矢田社長の出会いを目撃できたこの日の喜び。そして、クリスチャントゥデイが聖書をメガネに日本の歴史を、第1次資料を考慮しながら現実に根差し、忍耐と希望の恵みに支えられ思索し続けていく道が、目前に開かれている喜び。2つの大きな喜びを心に抱いて、雨の中、自宅へ戻りました。感謝。

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宮村武夫

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京深川生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部(組織神学)修了。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。クリスチャントゥデイ編集長兼論説主幹。

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