言葉の力 菅野直基

2018年2月7日10時09分 コラムニスト : 菅野直基 印刷
Facebookでシェアする Twitterでシェアする
関連タグ:菅野直基

「ありがとう」。これは不思議な魅力に満ちた言葉です。どんなに疲れていても、そのひと言を聞いただけで元気になることができます。先日、講演を終えた後で、聴衆の何人かが、「とっても良かったです。ありがとうございました」という言葉をかけてくれました。その言葉を聞いただけで、疲れは吹き飛び、元気になりました。力ある言葉ですね。

「ありがとう」は通常、何かをしていただいて感謝を表すときに使いますが、しかし、そういうときだけではなく、とてもそう思えないときにも使うことができます。漢字で「有難う」と書きます。「有る」ことが「難しい」ことに使えます。めったにないような好意を受けたとき、かゆい所に手が届くような心配り、親切などは「有る」ことが「難しい」です。

しかし、めったにないような最悪な出来事、とてつもない惨事、珍事。侮辱されたり、ひどい目に遭(あ)ったり、腹が立つような対応を受けたとき。これも「有る」ことが「難しい」、有り得ない、想定外です。「ありがとう」は、良くても悪くても、「有る」ことが「難しい」ことに対して使っていい言葉です。

しかし、後者の悪い方の「ありがとう」は、その相手や状況に対してまともに口にしたら皮肉に聞こえますし、それを見た人から、「この人、どうかしちゃったんじゃないか?」と心配になります。この「ありがとう」は、祈りによって、「有難い」ことを与えてくださった神に対して語ってください。

ツキを呼ぶ魔法の言葉』という小冊子を読んだことがあります。五日市剛氏の講演をまとめたものです。五日市さんが大学院生の頃、自分の研究に行き詰まり、人間関係に悩み、現実逃避のために1人でイスラエルを旅行しました。しかし、旅先でもトラブルが続き、飛行機が遅れるし、財布を失くしてしまうし、詐欺に遭って所持金のほとんどを失ってしまいました。さらに、大寒波が襲来し、泊まる宿も見つからず、1人つぶやきました。「なぜ俺ばっかりこんな目に遭うんだ!」「俺ほどツイてない人間はない!」。

そんなとき、1人のユダヤ人のおばさんと出会い、親切にも自宅に泊めてくれました。ツキに見放されていた五日市さんを見たおばさんは、かわいそうに思って、「ツキを呼ぶ魔法の言葉」を教えてくれました。

後日、五日市さんはこの言葉を実際に使うようになりました。そうしたら、次々に幸運な出来事が引き寄せられるようになりました。人間関係の改善。研究の成功。工学博士号取得。一流会社に就職が決まり、さらによい会社からヘッドハントされて転職し、世界的な発明をし、理想の女性と結婚をし、まさに、いいことずくめです。かつての五日市さんの面影もありません。

五日市さんの人生と運命を変えた「ツキを呼ぶ魔法の言葉」とは何でしょう。それは、「ありがとう」と「感謝します」と「ツイてる」の3つです。嫌なことがあったら「ありがとう」。うれしいことがあったら「感謝します」。そして、口ぐせのように「ツイてる」と言います。難しくないですね。

人生は、だいたいうれしいことか、うれしくないことかのどちらかです。うれしかったら「感謝します」。うれしくなかったら「ありがとう」と言うだけです。そして、どんなときにも、「ツイてる!ツイてる!」と言えばいいのです。

五日市さんに「ツキを呼ぶ魔法の言葉」を教えたユダヤ人のおばさんは、ユダヤ教徒ですから聖書を信じています。「ツキを呼ぶ魔法の言葉」は、実は聖書の言葉なのです。

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです」(Ⅰテサロニケ5:16~18)

また、「ツイてる」も聖書にあります。

「まことに、その人は主のおしえを喜びとし、昼も夜もそのおしえを口ずさむ。その人は、水路のそばに植わった木のようだ。時が来ると実がなり、その葉は枯れない。その人は、何をしても栄える」(詩編1:2、3)

「まことに、私のいのちの日の限り、いつくしみと恵みとが、私を追って来るでしょう」(詩編23:6)

「ツイてる!」と信じたら、自然に口からもその言葉が出てくるものです。しかし、今は信じられなくても、いつも口にしていたら、段々、「私はツイてるかもしれない」から「私はツイてる」と信じられるようになり、やがて現実も、信じた通りになっていきます。イエス・キリストは、「あなたの信じたとおりになるように」(マタイ8:13)と言われました。

聖書は、さらに「ツイてる」と語ります。

「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」(マタイ28:20)

「いつも、あなたがたとともにいます」。つまり、「神は私にツイていてくださる」のです。こんな素晴らしい人生が、ツイてないはずはありません。ツイてツイてツキまわる人生です。神が一緒にいてくださるなら、「マイナスはプラス」に、「ピンチはチャンス」に変えられます。だから、有難い、嫌なことがあっても「ありがとう」と言えるのです。

最後に、創世記に出てくるヨセフの物語をお話しします。

親に溺愛され、うぬぼれの強かったヨセフは、兄弟たちにねたまれ、嫌われていました。ある日、ヨセフは兄弟たちに半殺しの目に遭い、エジプトに奴隷として売り飛ばされました。

売られた先でヨセフは、主人に気に入られますが、主人の奥さんからも気に入られ、甘い言葉で誘惑されました。しかし、誠実なヨセフは、その誘惑を跳ねのけますが、恥をかかされた奥さんは、「奴隷のヨセフから性的な乱暴を受けた!」と旦那に報告し、ヨセフに濡れ衣を着せました。怒った主人はヨセフを牢屋に入れました。

ヨセフは、思春期のほとんどを牢屋の中で過ごしました。しかし、神と共に過ごし、ある日、他の囚人の夢を解き明かし、その解き明かしがすごいので、エジプトの王様の夢も解き明かすことになりました。そのことがきっかけで、ヨセフは牢屋から出してもらっただけではなく、エジプトナンバー2の地位である総理大臣になりました。

ヨセフが総理として国を治めていたある日、自分を半殺しにし、エジプトに奴隷として売り渡した兄弟たちが、ヨセフが総理大臣になっているとは知らずに陳情に来ました。ヨセフは、そこで自分の身分を明かし、そのことを知って恐れた兄弟たちにこう言いました。

「ヨセフは彼らに言った。『恐れることはありません。どうして、私が神の代わりでしょうか。あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした』」(創世記50:19、20)

ヨセフは、「お兄さんたちの悪意を、神が良いことに変えてくださったんだ。だから、怒っていないから心配しないでください」と言いました。ヨセフはまさに、自分に対するひどい仕打ちに対して、苦しみ、葛藤しながらも「ありがとう」と神に祈れるようになっていました。

その「ありがとう」がヨセフを、外国の総理大臣にまで引き上げたのです。皆さんも、どんなときにも「ありがとう」と感謝の人生を歩んでいきましょう。また、神はいつも共にいて、ツイていてくださるのです。だから「ツイてる!」と、自分が祝福されていることを口にしてください。

これが「言葉の力」なのです。今日も良い1日でありますようにお祈り致します。今日もありがとうございます。

菅野直基

菅野直基(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

新宿福興教会ホームページ (メッセージをくだされば、皆さんの近くの教会を紹介致します)
菅野直基牧師のフェイスブック

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
フェイスブックで最新情報をお届けします
Facebookでシェアする Twitterでシェアする
関連タグ:菅野直基

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。

記事の一つ一つは、記者が取材をして書き上げ、翻訳者が海外のニュースを邦訳し、さらに編集者や校閲者の手も経て配信しているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、サポーターとして(1,000円/月〜)、また寄付(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済(Paypal)で可能です。希望者には、週刊メールマガジンも送らせていただきます。サポーターや寄付の詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。

  • 金額を選択:
  • 金額を選択:

コラムの最新記事 コラムの記事一覧ページ

主要ニュース

コラム

人気記事ランキング