2つのルーテル教会が合同で宗教改革500年記念コンサート メンデルスゾーンの交響曲「宗教改革」を教会堂で演奏

2017年11月18日07時05分 記者 : 坂本直子 印刷
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+本邦初 室内楽編曲・交響曲第5番『宗教改革』 宗教改革500年記念コンサート オール・メンデルスゾーンで開催 
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宗教改革500年記念コンサート(主催:日本ルーテル教団関東地区・日本福音ルーテル教会合同礼拝実行委員会)が4日、国際基督教大学礼拝堂(東京都三鷹市)で開催された。1966年に「聖壇と講壇の交わり」を宣言して以来、信仰の一致に基づく交わりを持ってきた日本福音ルーテル教会と日本ルーテル教団が、宗教改革500年を記念して行ったもの。

演奏会では、まず日本福音ルーテル教会東教区聖歌隊と日本ルーテル教団有志の合唱により、ルター作曲の「深い悩みから私はあなたに叫ぶ」と「わが神はやぐら」、そしてバッハ作曲の「平和をわれらに」が歌われた。指揮は秋吉亮氏(日本福音ルーテル日吉教会会員)、伴奏は苅谷和子氏(日本福音ルーテル武蔵野教会オルガニスト)だ。

音楽を愛したマルティン・ルター(1483~1546)は、信仰生活や礼拝に詩編を生かすことを考え、1522年に新約聖書と詩編のドイツ語訳を出版した翌年、詩編による賛美歌の作曲を始めた。その最初の曲が、詩編130編による「深い悩みから私はあなたに叫ぶ」で、よく知られている「わが神はやぐら」も詩編46編に基づくものだ。

ルターの作った賛美歌(コラール)は、その後の音楽に大きな影響を与え、ルター派からはヘンデルやパッヘルベル、テレマンなど、優れた音楽家を数多く輩出した。その筆頭がヨハン・セバスティアン・バッハ(1685~1750)で、聖歌隊が歌った「平和をわれらに」は、そのバッハが最晩年に完成させた「ミサ曲 ロ短調」(BWV232)の終曲にあたるもの。

その後、「オール・メンデルスゾーン・プログラム」となり、オラトリオ「パウロ」序曲、賛歌「主よ、私の祈りを聞いてください」、交響曲第5番「宗教改革」の3曲が披露された。演奏は、ソプラノ独唱に柳沢亜紀氏のほか、指揮者の李善銘氏率いる東京バッハ・カンタータ・アンサンブル(管弦楽)とアンサンブルクライス(合唱)、そしてオルガンは湯口依子氏(日本福音ルーテル市ヶ谷教会オルガニスト)が務めた。

フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ(1809~47)もルター派教会の音楽家の1人で、「結婚行進曲」を含む劇音楽「夏の夜の夢」や「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」などが有名。バッハの「マタイ受難曲」を復活上演したことでも知られており、その成功によってメンデルスゾーンは20歳にして大音楽家としての名声を得た。

初めに演奏されたオラトリオ「パウロ」序曲は、1836年に作曲された宗教曲の冒頭を飾るもの。この曲は3部からなり、第1部では有名なコラール「目覚めよと叫ぶ声あり」の旋律が鳴り響き、第2部では同コラールがフーガ風に展開した後、第3部ではその変奏が繰り広げられる。賛歌「主よ、私の祈りを聞いてください」は44年に作曲されたもので、詩編55編に基づいている。

本邦初 室内楽編曲・交響曲第5番『宗教改革』 宗教改革500年記念コンサート オール・メンデルスゾーンで開催 

この日のメインともいえる交響曲第5番「宗教改革」は、若きメンデルスゾーンの豊かな才能が思う存分に発揮された、きわめて完成度の高い名曲だ。1830年、アウクスブルク信仰告白300周年を記念して作曲されたもので、当時、メンデルスゾーンは弱冠21歳。アウグスブルク信仰告白は、プロテスタント教会による初めての信仰告白であり、ルーテル教会の基本的な信仰告白でもある。

もともとフルオーケストラのために書かれた交響曲だが、礼拝堂での演奏にふさわしい編曲(松岡あさひ氏)により、小編成を感じさせない迫力ある響きと瑞々(みずみず)しい音色による、心に深く残る演奏となった。

第1楽章(アンダンテ)の厳かな響きで始まり、第2楽章のスケルツォ、第3楽章(アンダンテ)の弦楽を中心とした静かな音楽を経て、最終楽章のフィナーレでは、ルター作曲の「わが神はやぐら」(54年版『讃美歌』267番)が響きわたる。これは「宗教改革の戦いの賛美歌」としてプロテスタントで最も歌われる賛美歌の1つだ。

今回の演奏会は、1年以上かけて準備を進めてきた。宗教改革500年合同礼拝実行委員会を中心に、資金面を含め、さまざまな協力を得て実現したという。演奏会責任者を務めた加藤拓未氏(日本福音ルーテル大森教会会員)は言う。

「メンデルスゾーンの交響曲『宗教改革』は通常、大きなコンサートホールで演奏する作品ですが、この演奏会を機会に、日本の教会の礼拝堂でも演奏ができるようにと、少数のアンサンブル用に作品の編曲をお願いしました。ですから、今回演奏したのは本来の形のものではありませんが、教会でも交響曲『宗教改革』を演奏できるようになったことが重要だと思っています。メンデルゾーンという音楽的な遺産を教会で共有し、教会で伝えていくには、教会で演奏していくことが大切です。ですから、今日のように、教会でみんなで聴くことは大きな意味があります」

演奏会を聴いた日本ルーテル教団信徒の50代女性は、「とても美しく、素晴らしい演奏だった。普通のコンサートホールではなく、礼拝堂で聴けてとてもよかった」と感想を語った。

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