日本福音ルーテルと日本ルーテルが宗教改革500年で合同行事 聖餐礼拝に730人参加

2017年11月11日06時49分 記者 : 坂本直子 印刷
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聖餐式で「キリストのからだ」を受け取る信徒たち=4日、国際基督教大学(ICU)礼拝堂(東京都三鷹市)で
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日本福音ルーテル教会と日本ルーテル教団関東地区が4日、宗教改革500年を記念して合同行事を行った。同日午前は、「宗教改革を楽しめ!」と題し、子ども・青年向けのイベントがルーテル学院大学(東京都三鷹市)で催され、午後から国際基督教大学(ICU)礼拝堂(同)で合同聖餐礼拝が執り行われた。参加した730人が500年前の出来事に思いを巡らせ、共に御言葉の恵みを分かち合った。

日本福音ルーテル教会と日本ルーテル教団は、1966年に「聖壇と講壇の交わり」を宣言して以来、ルーテル学院大学や日本ルーテル神学校で神学教育を協力して行うなど、信仰の一致に基づく交わりを持ってきた。これまでも宗教改革を記念した合同礼拝は、市ヶ谷にある日本ルーテル教団礼拝堂で行ってきたが、今回ほど大規模な合同礼拝は初めて。両教団が協力し、1年以上に及ぶ準備期間を経て、この日を迎えた。

礼拝では、日本ルーテル教団定年教師の柴田千頭男(ちずお)氏が、「十字架のほかに誇るものなし」という題でメッセージを取り次いだ。

まず、「主のもとでは、一日は千年のようで、千年は一日のようです」(Ⅱペテロ3:8)を引用して、「私たちは神様の大きな歴史の流れの中で生かされています」と、信仰的視点を確認した上で、次のように語った。

日本福音ルーテルと日本ルーテルが宗教改革500年で合同行事 聖餐礼拝に730人参加
礼拝でメッセージを取り次ぐ日本ルーテル教団定年教師の柴田千頭男(ちずお)氏

「500年前、ウィッテンベルク城教会の扉に95カ条の提題を掲げ、当時の教会の在り方に転換を鋭く迫ったルターは、そのさらに1500年前に使徒パウロが語った言葉、『信仰義認』に宗教改革の根拠を置きました。死と復活によって人は罪赦(ゆる)され、それを信じる信仰しか神に受け入れられない。それが神の恵みであるという宣言です。

また、使徒パウロはその宣言の根拠を、さらに2000年近くさかのぼり、信仰の父アブラハムに置きました。アブラハムは信じがたい状況の中にありながら、告げられた神の言葉の約束を信じ、その信仰によって神に義とされ、神に受け入れられました。その出来事にパウロは、『人間は誰であれ、神の約束を信じることでアブラハムの子とされる』ということを聞き取り、それを『福音』として打ち出したのです。

こうしてアブラハムからパウロへと引き継がれてきた『福音』を、ルターは宗教改革の中心に置きました。神の恵みが曖昧(あいまい)にされ、贖宥状が人間の救済の手段としてまかり通るようになった時、ルターはそこに人間の危機、教会の危機を見て取ったのです。そこで、パウロの時代にまでさかのぼって『信仰義認』という神の恵みを再確認し、全生涯を費やして改革を行いました。救済の歴史は、500年、1500年の単位で動いていて、その大きな神様の時の流れの中に私たちが今あることを忘れてはなりません」

日本福音ルーテルと日本ルーテルが宗教改革500年で合同行事 聖餐礼拝に730人参加
日本福音ルーテル教会と日本ルーテル教団の信徒で埋め尽くされた礼拝堂

続いて、両教団の合同礼拝のテーマ「立ち止まり感謝し、そして前進、共に」に触れた。

「立ち止まって感謝をする。その感謝というのは、単に私たちが日常生活の中で『ありがとう』と言うレベルのことではありません。なぜなら、その次に『前進』という言葉があるからです。つまり、私たちが迷いなく成長していくエネルギーやモチベーションが宗教改革運動の中にあることへの感謝です。そして、『共に』という言葉は、教会を示しています。感謝し、前進する人々が、教会で共にいるわけです。

そういう教会の土台に『信仰による義』があります。よって、その土台を曖昧にしてしまったら、人は神の前に立てる唯一の根拠をなくすことになり、教会は総崩れしてしまいます。

ガラテヤ書の中でパウロは、『十字架のほかに、誇るものが決してあってはなりません』と言います(6:14)。ルターの改革の根拠はそこにあります。晩年のルターはこう言っています。『イエス様の死と復活を信じる信仰だけが、われわれを神に受け入れさせる。このことを、たとえ天地が揺るごうとも譲歩することはできない』。私たちの生きる根拠もここにあるのです。

宗教改革の結果、教会が分裂し、無数のキリスト教会が生まれました。しかし忘れてならないのは、神様とイエス様が1つであるように、私たちにも『1つであるように』と言われていること。だから、どの教派であれ、教団であれ、主なるイエス・キリストの祈りに真正面から向かい合う必要があります。今日、ローマ・カトリック教会とルーテル教会の間でさまざまな和解の動きがあることは幸いなことです」

さらに、「宗教改革500年をきっかけに、今の社会や世界にどう関わるかを問わなければならない」と語った。例えば、宗教改革450年の翌年に米国では、キング牧師の暗殺やアポロ8号による有人宇宙飛行という出来事があった。現在、各地で起こっている紛争には、人種差別撤廃を訴えたキング牧師の働きや、初めて宇宙から見た地球が運命共同体だったという事実を壊す危険がないかと柴田氏は問い掛ける。

「ルター研究の第一人者である徳善(とくぜん)義和先生は、『宗教改革500年を「記念」とは呼ばない。なぜなら、私たちは改革の中を生き、改革を継続しているからだ』と言われます。『記念』として納めるのではなく、福音を宣言し、その福音を語り続ける、それが改革を継続する教会なのです。105歳で召された聖路加国際病院の日野原重明先生の最後の言葉は『歩みを続けましょう』でした。それは私たちにとっては福音を語り続けることであり、福音に生き続けることではないでしょうか。なぜなら、私たちにとって十字架の主の他に誇るものがあってはならないからです」

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