異端・カルトシリーズ(8)異端・カルトに入らせないための最大の予防策とは? 和賀真也さんと泉山三枝子さんに聞く

2017年11月3日06時56分 記者 : 守田早生里 印刷
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+異端・カルトシリーズ(8) 異端・カルトに入らせないための最大の予防策は 和賀真也さんと泉山三枝子さんに聞く
30年以上にわたり救出活動を続けている和賀牧師
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これまで本シリーズでは、「世界平和統一家庭連合(旧統一協会・以下、統一協会)」から救出された方へのインタビューなどを掲載してきた。そもそも、異端やカルトに入らないためにはどうしたらいいのだろうか。子どもたちを異端やカルトから守り、真の救いへ導くために気を付けなければならないこととは。30年以上にわたり多くの人をカルト団体から救出してきたエクレシア会代表の和賀真也さん(セブンスデー・アドベンチスト教会名誉牧師)と、元統一協会員でエクレシア会事務局の泉山三枝子さんに話を聞いた。

――カルトの入り口の特徴は?

和賀:カルトや異端の組織というのは、一度入ってしまうとなかなか出ることができない。「辞めたい」と思っても、いろいろな圧力によって辞められないのが特徴です。救出には数年、数十年かかる場合もあれば、それだけ時間をかけてもなかなか救出できない場合もあります。まずは「入らない」ことが前提なのですが、最近のカルトは非常に巧妙な方法で若者を誘います。スポーツ、音楽などがそうですね。単純にそれらを楽しむだけなら健全なのですが、そこから何か別の目的に変わってきたら要注意です。

――カルトだと思って入会する人はいないのですね。

和賀:もちろん、最初は誰もカルトだとは思っていないから、入ってしまうのです。分かっていれば、皆、断るでしょう。1995年に起きたオウム真理教の事件以来、カルトや異端宗教の怖さはある程度知れ渡っています。伝統的なキリスト教さえ、ひとくくりに「宗教」と恐れられるくらい浸透していますが、宗教は悪いことばかりではなく、「良い宗教」と「悪い宗教」があるのです。

――その判断基準は?

和賀:献金を強要されるとか、無理に礼拝や集会に出させられるとか。ウソをつかれたり、つかされたりというのも「悪い宗教」ですよね。しつこい迷惑行為もそうです。また、情報をコントロールするということもあります。さまざまなプログラムに駆り立てて、個人の自由な時間と思考を制限したり、外部の情報はサタンの惑わしにつながるのでなるべく触れないようにさせられたりということもあります。

――泉山さんは統一協会に入るとき、また入った当初、「ここはおかしい」といった危機感はありませんでしたか。

泉山:入り口はキリスト教ですから、まったく怪しいとは思わなかったですね。入ったばかりの時は無理な献金もなかったので、「私は聖書を勉強している」くらいしか思いませんでした。しかし、だんだん深入りしてくると、高額なものを売りに行くといった活動をするのですが、その時はもう教義が頭に入っているので、それも救いのために必要なことだと思っていました。高額な壺(つぼ)を誰かに売ったとしても、それはその人の救いのためだから、「いいことをした」と覚え込まされているのです。

――泉山さんのご経験から、カルトかどうかの判断基準は?

泉山:入り口と出口が一緒かどうかということです。例えば、入り口はまったく違う名前になっていても、出口を見たら統一協会だったとか。サッカーや音楽のサークルだと言いつつ、「今度、聖書の勉強会があるから来てみて」など、徐々に方向が変わってきて、気付いたらまったく違う組織に入っているというのは、よくあるパターンです。それから、これをやめたら不幸になるなどと脅すようなことを言ったり、1人になってゆっくり考える時間を与えないなどということも判断の基準になると思います。

――彼らはどのように若者に近付くのでしょうか。

和賀:友人を通してというのもあります。それから、ファストフード店などで勉強をしている高校生や大学生に近付き、「どこの大学を受験するの」「何を勉強しているの」などと声を掛け、「よかったら教えてあげようか」と言って勧誘する場合もあるようです。

――ターゲットは優秀な若者?

和賀:統一協会などの場合、即戦力をほしがりますから。生活が苦しくてお金のない人などはわざわざ狙いません。以前は障がい者もお断りしていたくらいシビアでしたよ。やはり真面目で優秀な人、一般的に「いい人」がターゲットにされてしまうのですね。時々、クリスチャンホームのお子さんも狙われることがあります。すでに教会学校やご家庭で聖書をしっかり学んでいるはずなのに、「友達の教会に行く」と言って出したら、カルトだったなんてこともありますから、要注意です。

泉山:統一協会の場合、近年、中高年の被害もが多く報告されています。写経のようなカルチャーサークルを展開して、そこから徐々に「聖書勉強会」と称して教えを刷り込むのです。主婦層がターゲットですね。こういったケースの場合、被害者のお子さんやご主人が「どうも変な宗教にハマったらしい」と気付くパターンが多いようです。

――予防策の中で一番効果的なものは?

和賀:まずは情報を知っておくことですね。インターネットでもテレビでも何でもよいので、今どういうカルトがあって、どういう特徴があるかを知っておくこと。親も子もアンテナを張り、雑談の中で情報共有することが大切です。

あれだけ話題になった統一協会ですら、知らない人もいます。また、オウム真理教事件は大きな衝撃を社会にもたらしましたが、それでももう20年以上も昔のことなので、今の若者はほとんど知りません。

泉山:家族の会話ですね。何でも話せる環境を作っておくということではないでしょうか。例えば、少し様子が変だなと思ったら、「それ、何か変じゃない?」と言える親子関係なり夫婦関係ですよね。

和賀:本来、カルトを予防するのに一番いいのは家族の絆なのです。お互いがお互いをよく知って、異変に気付きやすい。「行き先を言わないで出掛ける日が多くなった」「金遣いが急に荒くなった」「友人関係が最近変わったようだ」など、普段の会話の中で気付くのですが、現代はそれが希薄になっているでしょう。スマホなどの発達によって、同じ場所にいるのに、まったく違う世界を見ている。

――近年、気を付けなければならないと感じる団体は?

和賀:ここに相談に来るケースで急激に増えているのが「摂理」ですね。

――「摂理」は、何が異端とされる原因なのでしょうか。

和賀:イエス様ではなく、リーダーを絶対化していくということです。イエス様以外の誰かを特別な位置に置くというのは、伝統的なキリスト教ではあり得ません。しかも、そのリーダーは女性信者への強姦(ごうかん)罪で現在、服役中です。もし彼が悪くないなら、しっかりと説明をすればよかったのに、偽パスポートまで作って逃亡してしまった。こういうことをしている人をリーダー、しかも特別な存在としていることに疑問を持っていないところにカルト性を感じます。

――キリスト教会に望むことは?

和賀:若者から見て、本当に教会が魅力的な場所であるかどうかということですね。統一協会や摂理は、そのあたりが非常に上手だといえます。楽しいんですよ。今の教会には若者の心をつかむようなものがないんだと思います。でも、カルトにはそれがある。悪循環ですよね。それから、カルトや異端に関しての相談を持ち掛けられた時に、教会がその判断材料や情報を持っていることも大切ですね。

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