宗教改革の記念合同礼拝、ルターが「95カ条の論題」提示した教会で メルケル独首相らも出席

2017年11月1日23時44分 翻訳者 : 岡本告 印刷
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宗教改革500周年を記念する合同礼拝で説教するドイツ福音主義教会(EKD)のハインリッヒ・ベットフォルトシュトローム議長=10月31日、ドイツ・ウィッテンベルクの城教会で(写真:EKD/Glascher)
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マルティン・ルターゆかりの地、ドイツ東部ウィッテンベルクの城教会で10月31日、プロテスタントとカトリックの両教会合同による記念礼拝が行われた。宗教改革はちょうど500年前のこの日、ルターが「95カ条の論題」を城教会の扉に張り出したことで始まった。礼拝には両教会の指導者だけでなく、ドイツのフランクワルター・シュタインマイアー大統領やアンゲラ・メルケル首相も出席した。

礼拝は、ルター作曲の賛美歌「神はわがやぐら」(讃美歌21・377番、新聖歌280番)で始まった。説教を取り次いだドイツ福音主義教会(EKD)のハインリッヒ・ベットフォルトシュトローム議長は、ルターが95カ条の論題を掲げたのは「解放の行為だった」と強調。「ウィッテンベルクからドイツ、欧州、世界に、またあらゆる階級の男女に霊的再生が広まって行きました」と語った。

一方、宗教改革はキリスト教界に対立をもたらし、教会はカトリックとプロテスタントに分裂した。しかし、ベットフォルトシュトローム議長は、「ルターは新しい教会をつくることを望んでいたのではなく、イエス・キリストの教会をその主のみもとに呼び戻すことを望んでいたのです」と指摘。和解し、多様性を認め合う一致の道からそれてはならないと訴えた。

EKDは、ドイツ国内のルター派、改革派、合同派のプロテスタント諸教会からなり、会員はドイツ人口の約3割を占める。カトリックもドイツでは人口の3割ほどで、礼拝にはドイツ・カトリック司教協議会議長のラインハルト・マルクス枢機卿らが参加した。

礼拝では、ベットフォルトシュトローム議長が「和解の十字架」をマルクス枢機卿に贈った。この十字架は、ドイツ中部ヒルデスハイムにある聖ミカエル聖堂のもの。同大聖堂では今年3月、プロテスタントとカトリック合同で「記憶の癒やし」をテーマにしたエキュメニカルな礼拝が行われていた。

2人は会衆の前に立ち、ベットフォルトシュトローム議長が「(キリストの十字架によって)この歴史上で初めて、障壁ではなく、和解が中心に置かれました」と言って十字架を手渡すと、マルクス枢機卿は「私たちは互いに歩み寄ってきました。そして再び(分裂した状態に)戻ることは望んでいないのです」と応じた。

十字架はその後、社会の和解に対する教会の献身のしるしとして、2人の手からシュタインマイアー大統領に渡された。ベットフォルトシュトローム議長は「教会間の和解が、紛争や分裂によって脅かされている世界に向けたメッセージになれば」と期待を込めた。

宗教改革500周年を記念する一連の行事は、昨年10月31日にスウェーデンのルンド大聖堂で行われた礼拝で始まった。この礼拝は、カトリック教会と、ルター派の世界組織であるルーテル世界連盟(LWF)が合同で開催した。ローマ教皇フランシスコを含むカトリックの指導者とLWFの指導者らが過去の分裂を悔い改め、共同声明を発表、人道支援分野における協力も約束した。

ベットフォルトシュトローム議長はこの日、こうした教会間の和解に積極的な教皇の姿勢に敬意を表明した。その一方で、ルターがユダヤ人に対して差別的な発言をしたことや、プロテスタント教会がアナバプテスト(再洗礼派)を迫害してきたことを認めた。

礼拝には、世界120カ国以上の教会・教派が加盟する世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事も参加し、世界の教会の代表として、95カ条の論題のレプリカを受け取った。とりなしの祈りをささげたトヴェイト総幹事は、「赦(ゆる)す力」と「和解を実践する勇気」を求め、「イエス・キリストにある一致への道を歩むよう、私たちをお導きください」と祈った。

※ この記事は世界教会協議会(WCC)のプレスリリースを日本向けに翻訳・編集したものです。
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