核兵器廃絶訴えるICANにノーベル平和賞 世界教会協議会本部で会見

2017年10月7日03時07分 記者 : 内田周作 印刷
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記者会見する「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)と世界教会協議会(WCC)の関係者。中央がICANのベアトリス・フィン事務局長、左端がWCCのオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事=6日、エキュメニカル・センター(スイス・ジュネーブ)で(写真:WCC / Ivars Kupcis)
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ノルウェー・ノーベル委員会は6日、核兵器の廃絶を目指すNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN、本部:スイス・ジュネーブ)に、ノーベル平和賞を授与すると発表した。国連で今年7月、122の国と地域が賛成して採択された「核兵器禁止条約」の成立に貢献したことが評価された。発表を受けICANは同日、協力して活動してきた世界教会協議会(WCC)の本部があるジュネーブの「エキュメニカル・センター」で記者会見を行い、核兵器廃絶に向けて働いてきた世界のすべての団体に贈られるものだとして、受賞を歓迎した。

ICANのベアトリス・フィン事務局長は会見で、「私たちは、大きな希望を持っています。今後も(核兵器廃絶のための)苦労は惜しみません」とコメント。ノーベル平和賞は「この運動全体、またたゆまず働いている世界のすべての団体に贈られるもので、冷戦後の新しい世代に、核兵器をどのように捉えるかを再考するよう後押しするものです」と語った。フィン氏はまた、「軍縮は人道主義的な急務です。私たちは、核兵器をただ単に受け入れるべきではありません。私たちは、これを変えることができるのです」と訴えた。

同席したWCCのオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事は、ICANのノーベル平和賞受賞は「平和への道の希望と励ましのしるし」だとコメント。「WCCにとっては、核兵器の製造、配置、使用を人類に対する犯罪だとして非難した、1983年の総会以来の長い道のりにおける重要な出来事です。核兵器に反対することは、明らかな、また絶対的な私たちの道義的責務です」と語った。

トヴェイト氏は、ノルウェー出身のルーテル派の神学者。ノルウェーは初め、核兵器禁止条約の議論をリードした国だったが、米国の「核の傘」の下にあり、条約をめぐる国連の会議には最終的に参加しなかった。トヴェイト氏は会見で母国についても触れ、「私の国の政府がこの条約に署名する日を期待しています」と語った。

ICANは、1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)のオーストラリアにおける運動から派生し、2007年に発足した。米ロ英仏中の5カ国に対し、核保有を認める代わりに削減を義務付け、他国の核保有を禁止した「核拡散防止条約」(NPT)では核兵器の廃絶はできないとし、全面的に核兵器を禁止する核兵器禁止条約の採択に向け各国政府に働き掛けてきた。

ノーベル委員会は授賞理由として、「核兵器がもたらす破滅的な人道的結末に注目を集め、条約に基づいた禁止措置に向けて革新的な努力をした」と説明。地雷やクラスター爆弾などについては、すでに国際的な禁止の合意ができていることに触れ、より破壊的な兵器である核兵器の禁止のために、法的な枠組みが必要であることを示唆した。

核兵器廃絶訴えるICANにノーベル平和賞 世界教会協議会本部で会見
WCCの本部であるエキュメニカル・センターで開かれた記者会見には、米国やロシア、中国、日本、ブラジル、メキシコなど、さまざまな国のメディアが参加した。(写真:WCC / Ivars Kupcis)

ノーベル委員会はこれまでも、核軍縮に向けた取り組みを評価している。1974年には、非核三原則の制定などが評価され、佐藤栄作元首相が日本人としては初めてノーベル平和賞を受賞。85年にはIPPNWが、95年には核兵器とすべての戦争の廃絶を訴えた科学者による国際会議「パグウォッシュ会議」と、同会議のジョセフ・ロートブラット会長が、2009年にはチェコ・プラハで「核なき世界」を目指す演説をしたバラク・オバマ米前大統領が、ノーベル平和賞を受賞している。

一方、WCCは1948年の第1回総会で、原爆やその他の近代兵器を使った戦争を「神に対する罪であり、人間の堕落」だと宣言。その後は、核兵器だけでなく、原子力発電における核の使用についても警告を発してきた。2014年にはWCC中央委員会が、「核のない世界に向けた声明」(英語本紙邦訳)を発表し、核兵器は「真の平和と調和できない」と訴えていた。

ICANの賛同団体は、世界約100カ国で400以上に上り、WCCもその1つ。カナダ聖公会やオーストラリア連合教会、ガーナ長老教会、ナイジェリア・キリスト教協議会など、一部の教会やキリスト教団体も賛同している。

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