米国福音同盟がオバマケア廃止に反対 主流派、カトリックに続き

2017年10月5日18時04分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
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医療保険制度改革(通称・オバマケア)の存続を求める人たち=2月25日、米ワシントンで(写真:Ted Eytan)
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米国内の4万5千余りの教会が加盟する福音派の連合組織、米国福音同盟(NAE)が、医療保険制度改革(通称・オバマケア)の廃止を目指す共和党の政策に反発している。

米ニュースサイト「シンク・プログレス」(英語)によると、キリスト教の飢餓撲滅団体「ブレッド・フォー・ザ・ワールド(世界にパンを)」が9月25日に配布した一連の声明により、これまで沈黙を守っていたNAEが、オバマケアを廃止し、新たな制度への置き換えを目指す共和党の政策に反対していることが分かった。

NAEは声明で、「わが国の健康管理システムは見事な成果を上げてはいるものの、国民の多くに対して、手頃な価格での生命維持を提供できない場合が多い」と指摘。「改革が必要だが慎重な研究がなされるべきで、専門家の分析や改革に伴う取捨選択についての徹底的な議論がなされない限り、議会による改革を急ぐべきではない。とりわけ、政策や資金の変更は、国民の中で最も弱い人たちをどのように扱うかによって評価されるべきである」と述べている。

今回の声明は、NAEと、自由主義的な教会の連合組織である米国キリスト教教会協議会(NCCCーUSA)との数少ない一致を示す。NAEは、NCCC−USAの加盟教会など、自由主義的な主流派(メインライン)の教団に対抗する意味合いも含めて設立された経緯がある。

NCCCーUSAのジム・ウィンクラー会長兼総幹事は声明で、「オバマケアの廃止が、健康保険加入者の減少と、メディケイド(米国の公的医療保険制度の1つ)に対する支出の減少につながることを理解していない議員は1人もいません」と指摘。「この法案は、何百万人もの人々にとって不必要な苦難をもたらすでしょう。キリスト教指導者として、私たちは社会的弱者を傷つける立法を支援することはできません」と主張している。

オバマケアの廃止を求める法案は、25日午前になって修正が加えられたものの、党内で反対に回る議員が相次いで出たため、共和党は採決を断念。ドナルド・トランプ米大統領は、来年の採決を目指す方針を示している。中道・リベラル系のシンクタンクである米ブルッキングス研究所は、修正前の法案が通過した場合、2027年までに健康保険の未加入者が3200万人余りになると推定していた。

全米アフリカ系米国人聖職者ネットワーク(NAACN)のバーバラ・ウィリアムズ・スキナー共同議長もこの法案に批判的だった。

「病人の世話をすることが、聖書的な呼び掛けであることは明白です」。スキナー氏は、「メディケイドから数十億ドルを削減することは誤った指針であり、危険です。全米の数百万人もの貧しい人々の生活を悪化させるでしょう。削減は少数派の人々に不均衡な影響を与えます。私は米国議会に対し、この法案を拒否し、米国の医療制度を改善するための超党派的な手法で取り組むことを要請します」と訴えていた。

米国カトリック司教協議会(USCCB)は当初からオバマケアの廃止に反対していたが、今回さらに強く共和党による廃止に向けた取り組みを批判し、法案の議会通過を急ぐ議員らを非難した。22日に発表した声明(英語)では、次のように訴えている。

「米国民の健康に関する決定は、私たち一人一人にとっての基本的な懸念であり、人為的に期限を切って急いで行うべきではありません。議会の行動の影響は、この種の問題の取り扱いに対して余りにも大きく影響し過ぎます。生命、良心、移民、市場の安定、適正価格など、現存する問題を扱う法案の場合、公益を考慮して、2大政党の連携という形で思慮深く通過させるよう呼び掛けるべきです。有権者、特に法案の通過において声を上げない人々が十分に報いを受けるべきです」

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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