FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道

2017年9月12日06時00分 コラムニスト : 西村晴道 印刷
Facebookでシェアする Twitterでシェアする
関連タグ:スイス西村晴道

スイス2回目視察シリーズ ④
A ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会
B エルストフェルトの高速道路のチャペル

FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
清らかな川の流れに沿って、山道を上る。

A ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会(Church of Madonna di Fatima)
設計者 マリオ・カンピ&フランコ・ペッシーナ
竣工 1987年 訪問日 2003年9月9日

車1台がやっと通れる細い道を上っていくと、山の中に台地が広がり、草原の一角に白いスチレンボードで作った建築模型のような小さい教会が現れた。静寂な山間の冷気の中にひそやかに建っている。

教会の建物は、その存在を強く主張するのではなく、慎ましやかにこの地を聖なる場所に引き立てている。

標高1060メートルの広い草原には、村の民家はあるが、人の姿も動物も何も見えない。眼下には雲がたなびき、あるのはただ静けさのみ。午前11時というのに、まだ早朝の新鮮な空気と霧に包まれ、1日が始まったばかりの様相を見せている。まさに神聖な場所。

FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
民家と教会
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
大きな円錐形ドーム 正面に朝日を、背面に夕日を浴びる。
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
正面に段状の塀
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
入り口はクローズ、尋ねようにも人の姿もない。残念ながら中に入れず。
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
正面扉
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
ドームと背面の鐘楼
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
鐘楼
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道

B エルストフェルトの高速道路のチャペル(Chapel in Erstfeld)
設計者 パスカル・ギナールとステファン・ザーネル
竣工 1998年 訪問日 2003年9月9日

1996、97年に、ウリ州が高速道路のチャペルの建築案を公募した。当選したパスカル・ギナールとステファン・ザーネルの案に従って、1998年5月から11月にかけて、高速道路とロイス川の中間の土地に建設された。

立方体の建物を囲むコンクリート塀のエントランスを入ると、正面扉に向かって一直線に細長い泉が設けられている。聖書の詩編62:2の「わたしの魂は沈黙して、ただ神に向かう。神にわたしの救いはある」や他宗教の言葉などが刻まれており、「宗教は問わない」「自分を取り戻す所」「考える場所」との説明書きがあるので、いわゆるキリスト教の教会ではないのだと不思議に思いながら進む。

建物の中に入ると、正方形の空間を取り囲む壁のすそはベンチ状になっている。訪れた人は思い思いに座って静かに祈ることができる。私たちもベンチに座り、中央の四角い箱の中に置かれた水晶の原石の優しい光を見つめ、しばし沈黙の時を過ごした。心が静まる。すぐそばに高速道路が通っているが、外界の騒音からは遮蔽(しゃへい)されている。

外壁の四角い窓は、ステンドグラスかと思ったが、近づいてよく見るとガラス瓶の形がはっきり見え、二重ガラスの間に緑、黄色、茶色のビンのガラスの破片を入れて、光の効果を出している。こんな仕掛けになっているのかと驚き、印象に残っている。

FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
ロイス川
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
駐車場から
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
ルービックキューブ形の建物
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
人影の先がエントランス
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
正面扉に向かって細長い泉
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
細長い泉の先は、正面扉。
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
塀のエントランスを入ると、ろうそく立てのコーナー。
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
水晶の原石の優しい光
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
内壁のベンチ
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
ガラス瓶の破片を入れた窓はステンドグラスのよう。
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
天井から吊り下げられた照明
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
ウイリアム・テルで有名なビュルグレンの町
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
宿泊したビュルグレンのホテル
FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道
レストランで夕食

ジュネーブ日本倶楽部(JCG)の会報「BONJOUR!れまん」(岸井敏牧師が書いているコラムの2006. 2月号)に掲載されたもの。ハチローは岸井牧師の腹話術芸名。(※本記事は、JCG広報編集委員会の了解のもと掲載しています)

FINE ROAD(57)スイス2回目視察シリーズ④ブセノのマドンナ・ディ・ファティマ教会 西村晴道

<<前回へ     次回へ>>

西村晴道

西村晴道(にしむら・はるみち)

1948年、靜岡県生まれ。一級建築士。法政大学工学部建築学科卒。住友建設株式会社入社・退職し、アメリカ合衆国ソービック建築設計事務所短期留学を経て、1984年、西村建築設計事務所開設。現在に至る。ルーテル学院大学第10回リード賞(キリスト教芸術分野)受賞。日本福音ルーテル静岡教会会員。著書に『FINE ROAD―世界のモダンな教会堂をたずねて』(イーグレープ)。

■ 一級建築士事務所 西村建築設計事務所ホームページ
【西村晴道著書】(Amazon)
【西村晴道著書】(イーグレープ)

この記事が気に入ったら「フォロー」しよう
フェイスブックで最新情報をお届けします
関連タグ:スイス西村晴道

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。

記事の一つ一つは、記者が取材をして書き上げ、翻訳者が海外のニュースを邦訳し、さらに編集者や校閲者の手も経て配信しているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、サポーターとして(1,000円/月〜)、また寄付(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済(Paypal)で可能です。希望者には、週刊メールマガジンも送らせていただきます。サポーターや寄付の詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。

  • 金額を選択:
  • 金額を選択:

コラムの最新記事 コラムの記事一覧ページ

主要ニュース

コラム

人気記事ランキング