教皇も支援表明の難病乳児、「遅すぎました」両親が治療を断念 悲劇の結末に対する5つの反応

2017年7月26日15時43分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
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チャーリー・ガードちゃんのために両親が立ち上げたサイト「charliesfight.org」。写真で大きく映っているのは延命装置を付けたチャーリーちゃん。
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遺伝性の難病のために末期症状にあり、治る見込みがないとして英国の病院から延命治療の停止を提案されていた男の子の両親は24日、米国での治療のために渡航許可をめぐって起こしていた法的闘争を取りやめると発表した。

生後11カ月のチャーリー・ガードちゃんは、生まれてまもなく「ミトコンドリアDNA枯渇症候群」という難病と診断された。現在は自力で呼吸もできない状態で、入院先の病院は、脳に回復不能な損傷があるとして、父親のクリス・ガードさんと母親のコニー・イェーツさんに、尊厳死を勧めていた。両親は米国で実験的な治療を希望するも、英高等法院は4月、これ以上の治療の継続はチャーリーちゃんに不要な苦しみを与えるとして、尊厳死を認める判決を下す。両親は上告するが、英最高裁と欧州人権裁は6月、両親の訴えを棄却し、米国での治療を禁止していた。

その後、治療に関する新たな証拠が提出されたとして、英高等法院が7月に入って審理を再開。しかし、米国の専門医の診察の結果、チャーリーちゃんが米国で治療を受けるには遅すぎる状況が分かったとして、両親が今回訴えを取り下げることになった。

チャーリーちゃんの治療をめぐっては、両親がインターネットで治療費や渡航費用を募っており、ローマ教皇フランシスコやドナルド・トランプ米大統領も支援を表明するなど、世界的に注目を集めていた。

米CNN(英語)によると、両親の弁護士であるグラント・アームストロング氏は、「チャーリーちゃんにとっては遅すぎました。治療しても成功は見込めません」と裁判所に説明。両親は、死ぬ前にチャーリーちゃんと「一緒に時間を過ごすことを望んでいます」と付け加えた。

以下に記載するのは、この悲劇的な知らせに対する反応である。これには両親からの声明や、法廷闘争に密接に関わった人たちの言葉も含まれる。

チャーリーちゃんの両親

チャーリーちゃんの両親はロンドンでメディア向けに発表された声明の中で、今となっては治療が成功する見込みがないため、「息子を天使たちと一緒に行かせる」つもりだと述べた。

英インデペンデント紙(英語)によると、両親は声明で「これは私たちにとって、これまでで最も言葉にし難く、実行し難いことです。つまり、かわいくて幼いチャーリーを去らせるということです」とコメント。「分かりやすく言うなら、これはまれな病気を持って生まれてきたかわいくて素敵で無邪気な男の子に関する問題です。息子には本当に生きる望みがあったし、彼をこよなく愛する家族もいます。私たちが息子のために懸命に闘ってきたのはそのためなのです」と語った。

また、「多くの時間が無駄になってしまいました」と述べ、それは「長期にわたる法廷闘争の間、(チャーリーが)何の治療も受けられずに何カ月間も病院に置かれたままだった」からだと続けた。

「悲劇的なのは、第三者の専門家にチャーリーのカルテを見直していただいたところ、もっと早く治療を受けさせていたら、チャーリーは正常で健康な男の子になれた可能性があったことです」と両親は付け加えた。

カトリック教会

英国のイングランドとウェールズのカトリック教会を代表するイングランド・ウェールズ・カトリック司教協議会は24日、声明(英語)を発表し、家族への共感と祈りを呼び掛けた。

「幼く大切な子どもとの別れは、この悲しく複雑な出来事を見守ってきたすべての人の胸を打っています。教皇フランシスコもその1人です。チャーリーの生涯は、最期の時を自然に迎えるまで大切にされるでしょう」

「現時点では、この苦しい決断に関わったすべての人が、誠意をもってチャーリーのためになると考えて行動してきたことを忘れないことが大切です」

司教協議会は、「重い病の子どものために、グレート・オーモンド・ストリート病院(チャーリーちゃんが入院している病院)が一貫して示したプロとしての精神、愛とケアもまた評価と称賛に値する」と付け加えた。

ライラ・ローズさん(中絶反対活動家)

中絶反対グループ「ライブアクション」代表のライラ・ローズさんは、哀悼の意を表明するとともに、治療の欠如がチャーリーの運命を縮めたと述べた。

ローズさんはツイッターで、「チャーリー・ガードちゃんのご両親が今どれほど打ちひしがれていることか、私には想像もつきません。残された時間を一緒に過ごすご家族のために祈っています」とコメント。「悲惨です。グレート・オーモンド・ストリート病院と裁判所は、チャーリー・ガードちゃんを何カ月も閉じ込め、治療せずにチャーリーちゃんを悪化させたのです」と付け加えた。

マット・ウォルシュ氏(米「ザ・ブレイズ」コラムニスト)

米国の放送ネットワーク「ザ・ブレイズ」のコラムニストであるマット・ウォルシュ氏はツイッターで、チャーリーちゃんが亡くなることの責任は、英国の病院と裁判所にあると非難した。

「病院と裁判所は、この赤ちゃんを殺したのです。赤ちゃんの死の責任は、彼らが問われることになるでしょう。神よ、彼らを憐(あわ)れんでください」

ウォルシュ氏のこのツイートは26日現在、370を超えるリツイートと750を超える「いいね」を獲得している。

ウォルシュ氏は先月、チャーリーちゃんの扱いを非難するコラムを書き、病院や裁判所の処置は「野蛮」であり、「人間の命が神聖なものと見なされないとは、どういうことだ」と批判していた。また、「これは、医療社会制度が招いた功罪だ」「国が医療制度を運営している場合、誰の命が救済に値し、誰の命が値しないかを決めるのは、究極的には国なのだ」と書いていた。

ロス・ドーザット氏(米ニューヨーク・タイムズ紙コラムニスト)

米ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストであるロス・ドーザット氏は、自身のツイッターに両親の声明を掲載し、事件全体が許しがたいと付け加えた。

ドーザット氏は、「このご夫婦の基本的親権を却下できる正当な理由はどこにもなかった」とツイートし、26日時点で960を超えるリツイートと2千近い「いいね」を獲得している。

ドーザット氏は、自身が22日に同紙に掲載したコラム(英語)へのリンクも紹介。コラムでは、「ガード夫妻は、息子さんを治すために、最後にもう1度機会を与えられるべきだ」と訴えていた。

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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