異端・カルトシリーズ(6)救出活動37年の和賀真也さんと元統一協会員の桑田尚子さん対談 その3

2017年7月25日04時11分 記者 : 守田早生里 印刷
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+異端・カルトシリーズ(6) 救出活動37年の和賀真也さんと元統一協会員桑田尚子さん対談
救出した元統一協会員が置いていった「戦利品」
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統一協会(世界平和統一家庭連合)からの救出活動を37年前から行っているエクレシア会の和賀真也さん(セブンスデー・アドベンチスト教会名誉牧師)と、42年前に統一協会から救出された元市議会議員の桑田尚子さんとの対談。3回目は、和賀さんが「牧師を辞めさせられた」とか「拉致監禁している」など、統一協会から誹謗(ひぼう)中傷されながら救出活動を続けてきたエピソードを聞いた。

――和賀先生は疑われた経験がありますか。

1度、こんなことがありました。ご家族の依頼で統一協会員の女性と話し合っていたとき、「和賀先生、あなただってウソついていませんか。牧師を辞めさせられているのに、今も牧師の肩書を名乗っているのはおかしいですね」といきなり言うんですよ。その頃、私はセブンスデー・アドベンチスト教会で牧会をしながら、全国を飛び回って、こうした救出活動をしていたのですが、あまりにも忙しすぎて、その2つをすることができなくなってしまった。それで、教会での牧会を1度休職して、この救出活動に専念することにしたのです。決して辞めさせられたわけでもないし、牧師でなくなったわけでもないのです。「今でも僕は牧師ですよ。ウソだと思うなら、教団の本部に電話してごらん」と話すと、さっそくその女性は教団本部に電話しました。当然、本部は、「今でも和賀先生は牧師ですよ。統一協会でお困りなら、相談されたらどうですか」なんて逆に話してくれてね(笑)。

――統一協会の中で「和賀先生は牧師を辞めさせられた」と教えられていたんですか。

「誰からそんなことを聞いたんですか」と女性に尋ねると、「統一協会の教会長から聞いた」ということでした。「ついでだから、その教会長にもここから電話して、『和賀はやっぱり牧師でした』と伝えておいて」と言うと、本当に電話してくれたんですね。すると教会長は、「そんなこと、ウソに決まってるだろう。和賀は辞めさせられたんだよ」と女性に言ったそうです。なので、そこで私が電話を替わって、「和賀です。私が牧師を辞めさせられたと言っていらっしゃるようですが、それは事実ではなく、今も私は牧師を続けてます」と言ったのです。すると相手は、「あんたが牧師かどうかなんて私たちには関係ないんだよ。あなたのことをそう言わなきゃいけないこっちの気持ちをどうして理解できないんだ」って逆に怒られてしまいましたね。

――そのやりとりをその女性も聞いていたのですか。

もちろん、彼女の電話を受け取って、その目の前でのやりとりです。こうした教会長の現実を通じて統一協会の実際の姿に気付いてほしかったのですが、彼女が救出されたのはそれから6年かかってからでした。

――6年って、ものすごい歳月ですね。

それはもうドラマみたいなことがたくさんありましたよ。彼らにとっては、和賀に会って信仰を捨てたなんてことは許されない。何が何でも信仰を捨てないこと、脱会しないことが、すなわち信仰といった世界ですからね。

――桑田さんもそうでしたか。

はい。とにかく何があっても反対する人を避け、逃げて統一協会につながり続けることが統一協会の言う「信仰」です。それを確か「勝利した」とか言っていました。

――説得をする先生も根気がいりますね。もちろんご家族も。

救出を願うご両親はクリスチャンでない方が多いので、「信仰」ってどういうものか分からない。ある時、長い期間、なかなか救出されない息子さんを待っていたお母さんがこんなことを言われたんですね。「先生、私、なんで息子が帰ってこないか、やっと分かりました。私たちにはまだ準備ができていなかったのです。住む家や当面のお金はあるかもしれません。しかし、息子と話をするにも、『信仰』そのものが分からなかったのです。聖書とは何かもよく分かりません。これから勉強します」とおっしゃって、やがてそのお母さんが先にクリスチャンになった。このように、救出活動を通して親御さんがクリスチャンになる例は意外と多いですね。今秋にも1人、バプテスマが予定されています。

――千葉県袖ケ浦市にあるこの「エクレシア会」事務局に住み込む人もいるのですか。

本人の希望次第ですね。例えば、地方都市にいる場合、私がそこに何カ月も何年もいるわけにいきませんから。落ち着いて聖書を学べる環境ということで、ここの2階に寝泊まりすることはできます。1つのシェルターですね。

――本人の選択で来るということなんですね。

そうです。本人が「ここで聖書を学びたい」とか「聖書ってどんなものか見てやろう」という気持ちになったら、ここで寝泊まりしていいですよという場所です。途中でやめたくなったら、やめればいい。「拉致する」とか「監禁する」といったものではないのです。ですから最初に、「逃げるなら、上り電車に乗らないと、下り電車に乗っちゃうと海の方に行っちゃうからね」なんて、逃げ道も教えてあげるのですよ(笑)。

――統一協会では、拉致監禁されると思われているようです。

ある男性がやっと九州からここまでたどりついたのに、統一協会の仲間に電話を入れたことがあったんですよ。そうしたら、「和賀のところにいるのか。そいつは暴力団とつながっているから、何をされるか分からないぞ。今すぐ逃げろ」なんて言われたようですね。

「先生、僕、やっぱり帰ります」というので、「どうぞ。でも、もしできたら、あと1本だけ電話してくれないかな、お父さんとお母さんのところへ。心配しているよ。私の口から『息子さんは逃げて帰ってしまいました』って言わせないでほしい。自分で言う?それとも私が?」と聞いたら、「自分で言います」と。そして電話をすると、涙を流しながら、「お父さん、僕、統一協会へ戻ります。いずれ分かる日が来るから」と言って、本当に帰ってしまいました。

その後、両親が、「和賀先生と話の続きがあるんじゃないのか。それからもう1度考えてもいいんじゃないか」と説得してくれて、その男性は再びここにやって来ました。1週間くらい一緒に勉強しましたね。終末論、再臨論・・・、何でも本人が学びたいものについて、聖書と『原理講論』をしっかりと照らし合わせながら、とことん話しました。

すると、1週間後のある日、「車を貸してもらえませんか」と言うんですね。「いいよ」と言って鍵を預けたんです。皆、「逃げられたらどうするんですか」なんて言いましたが、私はそれでもいいと思ったんですね。イエス様ならどうなさるでしょうね。彼を信用しないで、「何時に帰ってくるんだ」「どこに行くんだ」なんて聞くでしょうか。

――桑田さんの時もそうだったんですか。

はい。和賀先生がとことんまで信用してくださるこの姿勢を見ると、かえって裏切れないのですよ。

――彼は車でどこに行っていたのですか。

九十九里浜に行っていたらしい。昔、バドミントンだかバスケットボールの大会で千葉の九十九里に来たことがあったらしく、そこにもう1度行ったようですね。「太平洋の波が岸壁に打ちつける様子を見ながら叫んでいたんです」というので、「何を叫んだの」と聞いたら、「馬鹿ーっ・・・。文鮮明の馬鹿野郎。俺の大馬鹿者」と言っていたと。人には聞かれたくないから、自然の中で吐き出し、怒鳴ってきたのですね。

――現在も救出活動を続けているケースというのは?

名簿上は2千件くらいのケースを抱えていますが、皆さん、高齢になってきているので、おそらく動いているケースというのは100くらいでしょうね。20年、30年と長引くほど、本人たちは合同結婚で伴侶を得て、その相手も統一協会ですから、ますます救出が難しくなってくるのです。最近は統一協会よりも、いわゆる新興宗教のような団体に入ってしまった大学生の親御さんからの相談も多いですね。つい何日か前は、久しぶりに統一協会の相談もありましたが。

――いろいろなケースがあると思いますが、救出までの道のりはどういうパターンが多いのですか。

それは本当にそれぞれですね。数日でさっと回心する場合もあれば、何十年かかっても解決しない場合もある。親がまだ若くて元気なうちで、当事者もまだ学生であるか独身であれば、わりと解決までは時間がかからないことが多いですね。たまに、私の著書を読んで、「私は統一協会にいるのですが、先生と話がしたい」と自ら来る方もいらっしゃいますよ。

――和賀先生の37年間は、ずっと走りっぱなしですね。

そうですよ。2年半ほど前、愛する家内を天に送ったりと、いろいろありましたが、悲しんでいる暇はありませんでした。「助けてください」と待っているご家族がいましたからね。神様がそのように私を導くなら、それを全力でやるだけです。

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