異端・カルトシリーズ(6)救出活動37年の和賀真也さんと元統一協会員の桑田尚子さん対談 その2

2017年7月24日06時26分 記者 : 守田早生里 印刷
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統一協会(世界平和統一家庭連合)からの救出活動を37年前から行っているエクレシア会の和賀真也さん(セブンスデー・アドベンチスト教会名誉牧師)と、42年前に統一協会から救出された元市議会議員の桑田尚子さんとの対談。2回目は、実際の救出活動について話し合われた。

――救出された後、桑田さんはどうされたのですか。

セブンスデー・アドベンチスト教会で洗礼を受けて、タイミングよく三育学院(セブンスデー・アドベンチスト教会が設立母体)の小学校教員に空きが出たので、そこで先生をしていました。穏やかで楽しい仕事でしたよ。

――ご結婚後、市議会議員に?

そうですね。しばらくは専業主婦だったんですよ。子どもが5人もいましたから。それから、いちはら市民ネットワークの活動に加わるようになって、チャンスをいただき、市原市議会議員を2期8年、務めさせていただきました。

――議員活動にも、統一協会から脱会した時の経験は生かされていますか。

弱き者の話をきちんと聞く。何でも決めつけないで、まずは話を聞いてみるということですね。

――和賀先生、エクレシア会の設立について教えてください。

1980年に救出活動をするための会を作りました。(桑田)尚子さんたちを救出した後ですね。全国に会員がいて、定例会も行っています。

――和賀先生は全国各地に行かれるのですか。

以前は統一協会も活発に活動していましたから、当然、被害者も後から後から出てくるわけですよ。「うちの子がおかしな宗教に入ったので助けてください」と言われれば、何とかして本人に会おうとしていましたね。一度は徳島まで引っ越しのトラックに乗って会いに行ったこともありました。今、彼女は牧師夫人になっています。

――わざわざ遠くまで行って、1回の面談では、間違いに気づいてもらい、脱会するまでには至らならないのでは?

1回の取り組みで分かってもらい、救出に至ることもありますが、まず第一は、本人との信頼関係を、時間をかけて築いてゆくことが必要です。責めたり非難したりというアプローチでは、当人は心を閉ざしてしまい、真の対話には入れないんです。とにかく相手と対話をすることによって、まずは会話のチャンネルを作るのですね。

――桑田さんも先生から非難されるようなことはなかったのですか。

それが一番、私はうれしかった。もう分かっているのですよ、自分で何をやらかしたのか。十分傷ついているのです。4年間を注ぎ込んだものは真理ではなかったのですから。そこで、先生や両親に「ほら見たことか。やっぱり言ったとおりだろう」なんて言われたら、心を閉ざしてしまいますよね。でも、私の両親も姉も一切そんなことは言わなかった。それは、和賀先生が「決して尚子さんを責めたり非難したりしないでください」と言ってくださっていたからなんですね。

――徳島まで行かれて、その女性とは話ができたのですか。

「お母さんたちもあなたや家族ことを心配していて、一緒に来てほしいというので、何か役に立てるならと、東京から来ました。こちらの活動も大事でしょうが、ご家族のことでもあなたには大きな役割があるのでは・・・」と聞いたのですが、彼女は、「もし家族のことで自分にもしなければならないことがあれば、考えていきたいと思います」と言っただけで、短いやりとりで終わりました。30分だけラーメン屋にいて、面談は終わってしまいました。でも、それが大切なんですよね。

――せっかくトラックに乗って何時間もかけて行かれたのに?

その後、その女性が東京の実家に里帰りした時、お母さんがこんなふうに促したそうです。「あの時、和賀先生がわざわざ徳島まで来てくれたんだから、あいさつに行ったら?」と。それで彼女のほうから金町教会を訪ねて来てくれたんですね。

――彼女から教会に来たのですか。

統一協会は、牧師にも伝道するんですよ。だから彼女は、私にも伝道するつもりで金町教会に来たようですね。その時、「先生はイエス様が雲に乗って再臨されるという聖書の言葉をそのまま信じているのですか」と聞かれたので、「それは、信じていますよ」と答えると、「先生、あれは比喩象徴ですよ。そんなことが本当に起こるわけないでしょう」などと言うのです。統一協会では普通の常識では考えられないということで、そう理解しているんですね。それで、「イエス様が海の上を歩かれたことも信じていないのですか」と聞くと、「それは信じています」と答えます。「同じ聖書の言葉なのに、一方は信じ、一方は信じない。それはどういうことなのか教えてくれないかな」と言って、互いに聖書と照らし合わせて学んでゆくと、だんだん違いが浮き出てくるのですね。

――先生は今まで何人くらいの方と面談して、救出まで導いてこられたのですか。

今までで580人から600人くらいの間です。よく今まで生き延びてきたと思いますよ(笑)。中には暴力的な人もいて、まだ若者ですからね。以前、東京地検特捜部に「名誉毀損(きそん)だ」と訴えられたことや、盗聴マイクを仕掛けられたこともありました。嫌がらせ告訴でしたから当然不起訴となりましたが。

――相談はどのように?

以前は、全国でエクレシア会の定例会を行っていて、脱会者の証しを聞いたり、皆で交わりを持ったりしていたのですが、その場に時々、「うちの子が統一協会にいるんです」という親御さんがいらっしゃいます。ところが、たまにこの定例会に統一協会からのスパイも参加している時があるんですよ。「反統一協会対策委員会」のようなものがあって、ちょうどキリスト教会の「カルト対策委員」の逆バージョンですね(笑)。

――そんな時はどうするのですか。

「出て行け」と言うのは簡単です。でも、相手だって必死なんですよ。一度、たまたま救出したばかりの方が会場にいて、「先生、あの人、統一協会の人です」と教えてくれたことがありました。それで私はその方に、「今日初めていらっしゃったのですね。よくいらっしゃいました。でも、あなた、何か胸騒ぎしませんか」と尋ねたのです。すると彼は、「胸騒ぎがしないと言ったら、ウソになります」と正直に答えたんですね。私は、「偉いね。それで胸騒ぎもしないようになったら、人間終わりだよ」と言ったのです。

――それからその人にどう言われたのですか。

「なぜここに、統一協会に入った子どもの親御さんが集まっているか分かりますか。統一協会に対して疑問があるのに、その答えが統一協会側から出てこないから悩んで私のところに相談に来られているのですよ。いい機会だから、今日はここで答えていってあげてください。反対派の対策委員なんでしょう」と言うと、「いいえ、別に。そんなことをしに来たのでは・・・」と困っていました。もし本当に統一協会の教えが真実なら、そこできちんと説明すればよいのです。親御さんが納得してくれれば、何も私が全国を飛び回る必要もない。しかし、説明なんかできないのです。真実ではないから。

――桑田さん、統一協会ではウソも容認されるのですか。

そうですね。教理を守るためなら、ウソも方便、ウソが知恵だと教えられて、それを信じてしまうのですね。おかしなことですが、当時はそう刷り込まれていました。自分もウソをついているのが分かっているので、相手のことも信じなくなってしまうのです。「この人の言っていることは本当なのかな」と常に疑って。自分で自分の首を絞めているんですね。

――和賀先生、これは負のスパイラルですね。

そうですよ。自分もウソをついている。人のことも信じられない。誰のことを信じたらいいんですか。文鮮明でしょうか。彼だってウソをついているかもしれないでしょう。

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