危険を冒して北朝鮮の大学で働く「宣教師」たち

2017年5月17日23時48分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
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平壌科学技術大学(PUST)の学生と、同大を訪れた米コロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)の学生たち=2012年5月(写真:Uri Tours)
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北朝鮮唯一の私立大学である平壌科学技術大学(PUST)では、4月から5月にかけて、米国出身の2人の教授が当局に拘束された。しかし大きな危険の中にあっても、数十人の米国人とキリスト教の「宣教師」らが、依然としてPUSTで働いている。

金正恩(キム・ジョンウン)政権が今月6日に拘束したクリスチャンのキム・ハクソン氏も、PUSTで教えることを選択した米国人の1人だ。かつてハクソン氏は、困窮する北朝鮮国民を支援するため、すべてをささげる覚悟があると語っていた。

ロイター通信(英語)によると、ハクソン氏は北朝鮮への旅費や奉仕の資金を捻出するため、諸教会を通じて資金調達していた際、インターネットの投稿で次のように語っていた。「私はこの仕事に、私の血を最後の一滴まで注ぎ込む覚悟です」

PUSTは、韓国系米国人で福音派信者のジェームズ・キム氏によって創設された。年間経費は200万ドル(約2億2千万円)近くに上り、500人の学生と60人の大学院生を擁するという。

名誉総長であり共同設立者のパク・チャンモ氏によると、大きな危険があるにもかかわらず、毎学期、約60人の米国人がPUSTで働いている。ただし現在は「それよりも少ない」という。

北朝鮮政府は現在、米国人4人をさまざまな罪状で拘束しているが、主な罪状は国家安全保障に対する脅威とされている。

米下院外交委員会や他の迫害監視団体は、北朝鮮には宗教の自由がまったくなく、10万人もの人々が労働収容所で過酷な労役を余儀なくされていると警鐘を鳴らしている。

キリスト教迫害監視団体の米国オープン・ドアーズなどは、北朝鮮を、キリスト教徒にとって世界で最も危険な地域としており、信者らは聖書を所有しただけでも投獄されるという。

PUSTは、米国人教授2人の拘束は大学での仕事と「まったく無関係」だとしており、大学の唯一の目的は、北朝鮮の近代化と他国との交流に必要なスキルを、将来のエリートたちに得させるためだとしている。

ウェブサイト(英語)では、北朝鮮最大の外国人コミュニティーを擁していると説明し、大学の使命は「国際的展望を持って教育の卓越性を追求すること」だとうたっている。また、「それは学生たちが勉学に専念し、革新的な研究を行い、実直な人格を形成し、朝鮮と世界の人々に光明をもたらすためだ」としている。

ロイター通信によると、PUSTはキリスト教系であることは隠していないが、大学が宣教活動を行っているという印象を与えることを教職員は願っていないと、元教員らは話している。

「大学生聖書読み宣教会」(UBF)シカゴ支部のエイブラハム・キム支部長によると、同支部は2013年、PUSTの医学部新設キャンペーンに3万ドル(約330万円)を寄付している。エイブラハム氏は「直接、神の言葉を説くことはできませんが、善きクリスチャンであることによって、大学にいる人たちに間接的に影響を与えることはできます」と言う。

一方、PUSTの教授の中にはまったく宗教的ではない人もいる。ミシガン大学の研究員をしているウィル・スコット氏は、2013年と15年にPUSTでソフトウェア工学を教えたが、彼自身は無神論者だ。

「(大学にいる)外国人たちは日曜日、礼拝に出席すると思いますが、彼らは学生たちの周囲や講義の中で礼拝について話すことはありません」とスコット氏は語った。

元講師らによると、学生たちは北朝鮮以外の国については、ほとんど情報を持っていないという。「(大学で教えていると)生徒たちの心が開き、世界観が広がり、好奇心が高まり、倫理的側面が生活の中で具現化するのが分かります」と、匿名の元講師は語った。

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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