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英語お宝情報(6)スピーキング力は英語万能薬 木下和好

2017年3月21日19時21分 コラムニスト : 木下和好 印刷
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英語お宝情報(1):スピーキング脳とリスニング脳

By Dr. K. Kinoshita(木下和好)
YouCanSpeak 開発者・同時通訳者
元NHK TV・ラジオ 英語教授

<4つの能力>

世界のどの言語であっても、言葉の能力には4つの分野がある。リーディング、ライティング、リスニング(ヒアリング)、そしてスピーキングである。学習方法を誤ると、4つの能力の習得度合いに大きな差がついてしまう。でも、賢い学び方をすると、同じ学習エネルギーで4つの能力全てがバランス良く身に着く可能性が高い。この賢い学び方は「大は小を兼ねる」学び方となる。

カートで示された4つの能力

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<子どもが言葉を覚える順序>

人は生まれた後、まずリスニングとスピーキングの能力を身に着ける。英語が話されている環境に育てば、自然に無意識的にこの2つの能力が高まっていく。

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そして幼稚園以降は、リーディングとライティングの能力を習得し始め、小学校高学年ごろにはその言葉が母国語として脳内に定着する。

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<英語の効率的学びと非効率的学び>

人は9歳までは、言葉を自然に、また無意識的に習得していくが、10歳以降、特に13歳以降は、外国語を自然に、また無意識的に習得することが困難になり、意識的な学習が重要になってくる。その時に考えなければならないのは、4つの能力のうち、どれを学ぶかである。実際、「大は小を兼ねる」学び方と、「小は大を兼ねない」学び方がある。皮肉なことに、どちらも同じ努力、同じエネルギーを必要としている。

<リーディング中心の学び>

今、日本の学校では、ALT(ネイティブの語学講師)を使って、英語が使える子どもを育てる方向に向いているが、まだまだ教科書の英語を読み、その意味を理解するという勉強が中心となっている。このリーディング中心の学びはとても大切で、大きな価値がある。学校の英語のテストも入試英語も英検もTOEICも、そしてTOEFLも、その大半はリーディング力を試すテストだ。

でも、リーディングは誰かが書いた英語を理解する能力で、自ら英文を書く必要がないので、ライティングの能力は身に着かない。また、リーディングには音声が伴わないので、リスニング力も習得しない。ましてや、スピーキング力とは無縁となる。リーディング中心の学びでは、ライティング・リスニング・スピーキングは置き去りにされる。

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著名な翻訳家(リーディングの達人)が、訳した本の著者が来日したとき、得意のはずの言語では対談ができないので通訳を使うという話は、決して珍しくない。翻訳家の何パーセントかは、言語能力が極端にリーディングに偏っていて、他の3つの能力に乏しい。なぜなら、読んで日本語に訳すのが彼らの仕事だからである。

<ライティング中心の学び>

リーディングは、誰かが書いた英文を理解する受動的能力だが、ライティングは自ら英作する必要があるので、能動的能力となる。誰でも英文を正しく書くことができるけれど、自分が書ける英文を読んだときにはその意味が分からないということはあり得ない。すなわち、書ける英語は読める英語となる。

でも、ライティングの場合も音声が伴わない。音声抜きの学習では、リスニングやスピーキングの能力が身に着くことはない。それでライティング中心の学びをした場合、リーディング能力は一緒に高まっていくが、リスニングやスピーキングは置き去りとなる。

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この実例として、ある秀才日本人の話がある。彼はハーバード大学・大学院を卒業したが、全ての論文をパスしていることからも、彼の英語力が非常に高いことが分かる。でも、彼は英語を話すのが得意ではない。能力がライティングに偏っていたからだ。

<リスニング中心の学び>

日本人が英会話を学ぶとき、リスニング中心になる傾向がある。ネイティブの先生が会話をリードし、学生はほとんどの時間をその意味を理解するために費やす。意味が良く分からなかったときは、先生が別の表現を使ったり、もっと単純な英語に言い換えたりするが、その場合でも、先生がしゃべり、学生が聞くという役割分担になっていることが多い。

このような練習は、会話を学んでいるつもりでも、実はリスニング中心の学びになっている。リスニングは誰かが言った英語の意味を理解するという受動的な能力なので、自ら英文を作り出して音声化するという能動的なスピーキング力とは全く異なる。リスニング中心の学びでは、スピーキングとライティングが置き去りになってしまう。

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私が米国の会社に勤めていたとき、チェコから亡命して来た化学者の息子が夏休みにアルバイトに来た。彼は米国で生まれ育ったので、英語が母国語だった。でも、家では毎日両親がチェコ語で話すので、チェコ語は100パーセント理解できると言った。

それで、私が「では、How are you? をチェコ語で何て言いますか?」と尋ねたところ、聞けば理解できるが、自分からは言うことができないという返事が返ってきた。彼はチェコ語に関しては、リスニング力100パーセントでスピーキング力が0パーセントだった。

彼のような人は珍しくない。特に海外に住んでいる子どもたちは、現地の言葉が母国語になり、両親の話す言葉は聞くだけなので、理解できても上手に話すことができない場合が多い。このことからも、聞き流すだけで、ある日、突然英語が話せるようになることなどあり得ないことが分かる。

<スピーキング中心の学び>

スピーキング力とは、自ら瞬時に英作し音声化する能動的能力なので、他の3つの能力をカバーする。なぜなら、自分が言える英語を聞いたときには理解できないということはあり得ないし、言える英語を書くことができず、読むこともできないこともあり得ない(識字力が備わっている場合)。それで、スピーキング力中心の学びをし、その能力を高めていくと、それに伴いリーディング力・ライティング力・リスニング力も伸びていく。

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YouCanSpeak はスピーキングに特化した学習システムだが、まじめに学ぶとリーディング力・ライティング力・リスニング力もアップするので、TOEIC、英検、入試英語の点数が面白いように上がっていくという報告が、多く寄せられている。

スピーキング力学習は英語万能薬なので、「大は小を兼ねる」ことになる。

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木下和好

木下和好(きのした・かずよし)

1946年、静岡県生まれ。文学博士。東京基督教大学、ゴードン・コーウェル、カリフォルニア大学院に学ぶ。英会話学校、英語圏留学センター経営。逐次・同時両方向通訳者、同時通訳セミナー講師。NHKラジオ・TV「Dr. Kinoshitaのおもしろ英語塾」教授。民放ラジオ番組「Dr. Kinoshitaの英語おもしろ豆辞典」担当。民放各局のTV番組にゲスト出演し、「Dr. Kinoshitaの究極英語習得法」を担当する。1991年1月「米国大統領朝食会」に招待される。雑誌等に英語関連記事を連載、著書20冊余り。

木下和好氏の書籍のご注文は、全国の書店、またはAmazonにて。

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