【インタビュー】小林高徳TCU学長 謙遜にキリストに従う人生を

2017年3月18日06時52分 インタビュアー : 坂本直子 印刷
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+【インタビュー】小林高徳TCU学長 謙遜にキリストに従う人生を
卒業式・学位授与式の後、インタビューに応じてくれた東京基督教大学学長の小林高徳氏=10日、東京基督教大学(TCU、千葉県印西市)で
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日本で唯一のプロテスタント福音派による超教派の4年制神学大学である東京基督教大学(TCU、千葉県印西市)で10日、卒業式・学位授与式が行われた。この日、計39人の卒業生・修了生を新たな世界へと送り出した同大学長の小林高徳氏に話を聞いた。(関連記事:平和の神が一生涯、共に TCUで卒業式、39人に証書・学位記を授与

卒業式を終えて、どのような感想をお持ちですか。

明るく希望に満ちた中で、イエス様にあって学生たちを送り出すことができ、本当に感謝しています。また今年は、TCUでは初めてとなる博士課程の学位が2人の女性に授与されました。1人の方は、3人のお子さんの世話をしながら研究を続けてこられました。2人とも素晴らしい論文を書かれたことは、神様の大きな恵みだと思います。

博士課程は3年前に開設したとのことですが、その意義を教えてください。

日本の宣教のためには、本当に深い研究が必要だと確信しています。神学は、教会や社会に仕える働き全てに関わり、宣教の働きに仕えるものです。博士課程での研究は、そういう広い意味での宣教の働きをより豊かにすると思います。ですから、神学者や牧師先生だけでなく、ぜひキリスト教NGO、NPOのリーダーになる人たちにも学びに来ていただけたらと思っています。

全員クリスチャンの中で寮生活をし、キリスト教世界観の中で学んできた卒業生たちですが、外の世界に出ることへの不安はないのでしょうか。

ある意味で純粋培養ともいえる寮生活は、キリスト教世界観に基づくキリスト教全人格教育でもあります。それはキリスト教と学びが統合されるだけではなく、実践的な学びの上でも非常に重要なことです。

それまで小さな自分の世界にいた人たちが、24時間、他の人たちと接しなければならない寮生活は、最初こそ大変です。しかしその中で、徐々にではありますが、祈り合い、対話を通して人を理解し、共同で生活することを学んでいきます。そして、広い目で全体を把握する力、個々の課題を扱う力、人を理解する力、人と一緒に仕事をする力が磨かれていくのです。

それらのことは社会に出ていく上で重要なことです。そういう意味で私は、TCUの学生の卒業後のことを全く心配していません。また私たちは、ただ一部分の専門家を育てているつもりはなく、彼らがキリストに仕えるリーダーになっていくと思っています。

ただ、周り全てがクリスチャンで、聖書を基にした共同体の中にいるのと、そうでなくなった場合、かなりギャップがあるだろうと思います。そのためにも、地域の教会としっかりつながっていき、信仰の仲間の支え合いの中で社会で活躍してもらいたいと思います。そして、寮での経験を生かして、人と人とをつなぐ役割や、人間関係に悩む人の相談に乗れるような活躍をしてほしいですね。

福祉学科について、TCUならではの特徴を教えてください。

福祉学科は、超高齢化する日本社会において、教会の中にも福祉の対応が必要だという強い思いがあって、2008年に設置されました。本来、キリスト教は、社会に愛をもって仕える福祉の働きをずっとしてきました。「ディアコニア」という奉仕の働きです。ところが戦後、日本が福祉制度を充実させていく中で、教会が福祉の奉仕の働きから遠ざかってしまう歴史がありました。この福祉学科の設立によって、本来、キリスト教が持っていたディアコニアの働きを回復できたらという思いがあります。

神学科を出て、福祉の世界で活躍している人もたくさんいます。施設長をされている人もいます。キリスト教の教えにより培われた人間観や愛が、福祉の働きの中で賜物として発揮されています。中には、介護の働きでストレスやいろいろな痛みを受けて、他の働きに移った人もいますが、TCUで学んだ、仕えること、人を理解することは、どのような働きにおいても生かされると思っています。

卒業生にどのような言葉を贈られましたか。

卒業式の前に礼拝の時間を持ち、その中でコロサイ人への手紙3章12節にある「謙遜」という言葉に焦点を当ててメッセージしました。ここでは、「深い同情心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい」(新改訳)とあります。この5つの真ん中に出てくるのが「謙遜」です。私たちは、キリストの和解の業に参与する者、キリストと共に治める者として召されており、その中の重要なことの1つとして「謙遜」があります。

「謙遜」という言葉は、当時は「奴隷根性」として使われ、美徳ではありませんでした。しかし、キリストと共に治める者は、謙遜を身に着け、奴隷として主に仕え、自分に頼るのではなく、自我を打ち砕かれた者として、キリストにより頼む者でなければなりません。それこそまさに私たちが持つべき資質であり、キリストに仕える者の品性であると話しました。

今の時代にはおそらく、「大学を終えたら、自信を持って自分の信じた道を行きなさい」と語られるのだと思います。しかしむしろ、自分を捨て、自分の十字架を負って、キリストに従うという道を謙遜に歩んでいただけたらと思っています。どんな働きであろうともです。

最後に、今後に向けたメッセージをお願いします。

他の大学を出てからTCUに入った学生に、「TCUの学びは、若いクリスチャン全員が受けるべきだ」と言われたことが本当にうれしかったです。毎年繰り返される循環の中で、本当に寂しい別れの時期ですが、新しい出会いの時でもあります。家族、友人、教会のネットワークが広がる時期でもあります。TCUの働きが、日本宣教の進展に益する働きにつながってくれればといつも願っています。

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