牧師の小窓(71)ニンジンと卵とコーヒー 福江等

2017年3月12日16時35分 コラムニスト : 福江等 印刷
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こんなお話を聞きました。ある娘さんがお母さんに愚痴をこぼしていました。最近、いろんな問題が次から次へと湧いてきて、1つを解決するとまた別な問題が出てくる。もう疲れ果てた、とこぼすのです。

じっと娘の話を聞いていた母親は、やおら台所に立ち、3つの小さい鍋にお湯を沸かしました。1つのお鍋にはニンジンを入れました。別の鍋には卵を入れました。そして最後のお鍋には挽いたコーヒーの豆を入れました。母親は何も言わずに黙って20分ほど待ちました。そして、ガスを止めました。

まず、ニンジンをボールに取り出しました。次に、卵をボールに取り出しました。最後にコーヒーをすくってマッグに入れました。それから、娘の方を向いて尋ねました。「何が見える?」と。

「ニンジンと卵とコーヒーでしょう」と、娘は言いました。

母親は娘にまずニンジンを触ってみて、と言いました。ニンジンは柔らかくなっていました。次に卵の殻をむいてみて、と言いました。卵はゆで卵になっていました。最後にコーヒーを一口すすってみて、と言いました。娘はにっこり笑ってコーヒーのすてきな香りを楽しみました。

それから、娘は尋ねました。「一体、どういう意味なの?」と。

母親は説明しました。これら3つの物はそれぞれに同じ熱湯を通ったということ、でも、それぞれ別々な反応をしたということ。ニンジンは初めは固いものであったけれど、熱湯によって柔らかくなった。卵は柔らかいものであったけれど、熱湯によって固くなった。豆を挽いたコーヒーはちょっと違う。熱湯の中に入れられることによって、コーヒーの豆は熱湯自体を変えてしまったということを説明しました。

母親は娘に聞きました。あなたはどれ? ニンジンのように最初は固くて強かったけれど、試練によって弱くなってしまうの? それとも、卵のように最初は柔軟な心を持っていたけれど、人生のさまざまな試練に出あって心が固く頑固になるの? それとも、コーヒーの豆のように試練をもたらす熱湯そのものを変えていく人になるの?

試練が厳しくなればなるほど、人生が良い香りを放つようになる、そんなふうな人生を歩んでほしいな、と言ったそうです。

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福江等

福江等(ふくえ・ひとし)

1947年、香川県生まれ。1966年、上智大学文学部英文科に入学。1984年、ボストン大学大学院卒、神学博士号修得。1973年、高知加賀野井キリスト教会創立。2001年(フィリピン)アジア・パシフィック・ナザレン神学大学院教授、学長。現在、高知加賀野井キリスト教会牧師、高知刑務所教誨師、高知県立大学非常勤講師。著書に『主が聖であられるように』(訳書)、『聖化の説教[旧約篇Ⅱ]―牧師17人が語るホーリネスの恵み』(共著)など。

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