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COP22とキリスト教:ローマ教皇・全地総主教や科学者ら、気候変動に対する行動を要求

2016年11月17日16時09分 記者 : 行本尚史 印刷
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+COP22とキリスト教:ローマ教皇・全地総主教や科学者・教会青年ら、気候変動に対する行動を要求
モロッコのマラケシュで開かれているCOP22の期間中にデモ行進をするACT・LWF・WCCの合同グループ(写真:WCC / Ivars Kupcis)
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国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の第22回締約国会議(COP22)がモロッコのマラケシュで18日まで開かれている中で、気候変動に対する行動を求めるキリスト教団体やクリスチャンの科学者らの声が高まっている。

「気候変動はでっち上げではない」クリスチャンの気候学者、トランプ氏に公開書簡

気候変動に関する著名なクリスチャンの科学者が、米大統領に選ばれたドナルド・トランプ氏に対し、パリ協定を支持して他の国々と共に働くよう求めた。英国クリスチャントゥデイが14日に報じた。

トランプ氏に対する公開書簡で、大気科学者のキャサリン・ヘイホウ博士は、気候変動は「現実」であり、でっち上げではないということを受け入れるよう訴えている。

テキサス工科大学政治学部の准教授で同大学の気候科学センター所長である同博士は、「私は気候科学者です。何十年、そして何世紀にもわたる入念な研究のおかげで、私たちは気候が変化しつつあり、私たちに責任があり、その影響が重大であることが分かっています」と記している。「このことはでっち上げではありません。それは現実なのです」

トランプ氏は気候変動の否定論者。大統領選の間、同氏の顧問の中には、著名な石油・ガス業者で気候変動の懐疑論者である、ノース・ダコタのケビン・クレイマー氏が含まれていた。

カナダのトロント出身で、テキサスにある「チャーチ・ウィズアウト・レリジョン」のアンドリュー・ファーリー牧師と結婚しているヘイホウ博士は、自らは福音派クリスチャンであると述べている。

教皇フランシスコ、気候変動との闘いで国際社会に行動を強く要求

教皇フランシスコは15日、国際社会に対し、気候変動との闘いで速やかに行動するよう強く求めた。バチカン放送局英語版が15日に報じた。

COP22の参加者に向けたメッセージの中で教皇は、全ての締約国や利害関係者たちが「行動を起こし、気候変動に関する昨年のパリ協定を実施するための、倫理的および道義的に重大な責任」を負っていると指摘した。

「環境の悪化をめぐる昨今の状況は、私たちが不幸にも日々体験している、人間や倫理・社会の悪化と力強く結び付いており、自らの役割や能力を持つ私たち全員に課題を投げ掛け、新たな意識と責任感をもって私たちをここに集めています」と教皇は述べた。

COP22の参加者たちは、世界の指導者たちが気候変動に関する行動のために自らの約束を履行し、温室効果ガスの排出量を削減することを誓約したパリ協定の実施における次の一歩を踏み出すよう求められている。

教皇は、「気候変動のように非常に複雑な問題に直面したとき、個人、あるいは一国の行動ではもはや十分ではないが、しかし『私たちの共通の家を建設するために、協力』を達成することを真の目的として、責任ある共同の対応を実施する必要性はあるのだということについての、重大な認識」を、その協定は表していると述べた。

また、技術を導き、自らの力を開発、制限するためにも、それらを「より健康で、より人間的で、より社会的で、より不可欠な」、経済を人間に仕えるように位置づけ、平和と正義を構築し、環境を守ることができる、もう1つの型の進歩に仕えるよう、自らの知性を方向付けることができるし、またそうしなければならないと述べた。

パリ協定については、国際社会全体が自ら責任を負うよう招かれている明確な道を描いたと述べるとともに、COP22がこの道において中心的な段階を表すものであり、全人類、とりわけ気候変動の影響に対して最も脆弱(ぜいじゃく)な、最も貧しい人たちや未来の世代に影響をもたらし、政治的および経済的な圧力からできるだけ自由な形で、個人の利害や振る舞いを越えて素早く行動するという、私たちが負っている重大な倫理的および道義的責任を思い起こさせる」と語った。

「22年間は遅すぎる」東方正教会全地総主教、国連会議にメッセージ

環境問題への熱心な取り組みでも知られる東方正教会全地総主教のバルソロメオス1世は3日、COP22に対するメッセージを公式サイトで発表した。

同総主教はその中で、1992年にリオデジャネイロで開かれた地球サミット以来の22年間は、「環境の危機に対応する期間としては受け入れがたいほど長い」「化石燃料の拡大と闘うには弁解なしで長たらしい」などと批判。

その上で、「不公平にも被害を受け、取り返しのつかない悪影響を受けるのは、人間――私たち全員、しかし特に私たちの中で『最も小さき』あるいは最も脆弱ないし疎外された人たちだ」と同総主教は述べ、神の創られた世界の生き残りを失うか、あるいは先んずるためにどんな代償を支払うのかなどと問い掛けた。

「私たちの謙虚でありながら大胆な祈りは、COP22の全ての締約国が、気候変動をめぐる大きな賭けを認識してそれに対応すること。1つの方法は、COP21のパリ協定の実施をさらに遅らせたりしないことです」と同総主教は結んだ。

宗教者の団体、気候変動をめぐる正義のために行進

13日、活気に満ちた若々しい、それでいて要求がきつい宗教団体の声が、マラケシュの街路ではっきりと聞こえた。そこでは、ACTアライアンス、ルーテル世界連盟、そして世界教会協議会(WCC)の合同グループが何千人もの運動家たちの中で行進し、COP22に環境の正義を要求した。WCCが15日、公式サイトで伝えた。

「最も感激したことの1つは、モロッコの団体――環境や社会正義の団体、女性の団体、農家、労組、人権活動家たち――が、本気で献身的かつ意気揚々と参加していたのが見えたことです」と、WCC気候変動部会のメンバーで、この気候行進の参加者であるカナダ教会協議会のジョイ・ケネディ氏は語った。「彼らは本当に指導的でしたし、自らの空間に立って、このように初めて自らの社会の中で行進している人々に加わって寄り添うのは、素晴らしいと感じました」

環境保護主義者や社会正義団体が化石燃料への依存を減らすための運動を構成している、国際的な気候変動問題の団体もまた、この行進に全面的に参加した。「それは、この行進に加わるのに、世界中からのメッセージを携えてきた人たちでした。平和と自由、尊厳、持続可能性、そして正義を願う人々の文化や伝統、精神をたたえ、私にとって、それはほとんど礼拝式のようでした。行進全体を通じて私が繰り返し見たメッセージは、気候変動をめぐる正義に関するものでした。それは非常に明確でした」と、ケネディ氏は語った。

この行進は、異なる世代の人たちを共に引きつけていた。家族や子どもたちもいれば、高齢者や若者たちもいた。「その若者たちのエネルギーが感じられました。彼らの顔や動き、表情に。私たち教会にとって、それはとても大きな励ましになりました。私たちが求めて闘っている、闘う価値がある、そして望み祈っている未来があるということです。私たちはモロッコという王国にいますが、地上における神の国がどんなものなのかを垣間見ているのです」

ACTグループの諸教会に所属するアフリカの青年指導者たちは、創造的かつ有能でありながら若々しいかたちで参加し、彼らが歩いたところではどこでも人々がほほ笑んでいた。「最初、彼らは英語で繰り返し言い、それからフランス語で――それは穏やかなものでした。でもその時、彼らはアラビア語で「今こそ気候の正義を」と繰り返し言うよう教わると、彼らはそれを歌に変えて、街路にいる周りの人たちは皆ほほ笑んだり、笑ったり、拍手喝采をしていました。たちまち反響がありましたよ」とケネディ氏は語った。「それはまるで聖霊の動きのようでした。本当に信じられないくらいでしたよ。それは、若い世代がそれを受け止めるという希望を私にもたらし、彼らがそれを実現するのです」

教会や信仰共同体として、私たちは交渉の部屋や戦略室の中にいる必要があることは分かっているが、街路にもいる必要があるのだと、ケネディ氏は語り、参加している宗教団体は行進の終わりに声を限りに歌っていたので、彼らの声はマラケシュの街路でよく聞こえたと付け加えた。「ある意味では、進んで行って後ろに残された乱れをきれいにするのは、信仰を持つ人々の役割なのです。彼らが『主の光の中を進もう』(We are marching in the light of God、南アフリカの賛美歌)を歌っていたとき、誰もがそれに関わることができたのです」とケネディ氏は語り、この体験を素晴らしい真の証しと表現した。「それは彼らの魂の奥深くから出てきたのです。彼らと一緒に歌い始めずにはいられませんでした。それは本当に礼拝式のリーダーシップであり、そこで人は共に歌おうと引かれていくのです」

COP22には2万2千人の代表者たちやオブザーバー、市民社会の代表者たちが196カ国から集まった。COP22は、各国政府や他の当事者たちが、この会議のわずか数日前に発効し、昨年に採択された気候変動に関するパリ協定を運用可能にするために、決定的に重要な次の一歩であるとみられている。

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