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ローマ教皇・ルーテル世界連盟議長による共同声明全文(非公式訳)

2016年11月1日23時58分 印刷
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+ローマ教皇・ルーテル世界連盟議長による共同声明全文(非公式訳)
共同声明に署名するルーテル世界連盟(LWF)議長のムニブ・ユナン監督(中央左)とローマ教皇フランシスコ(中央右)(写真:Magnus Aronson / Ikon)
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以下は、カトリック教会の教皇フランシスコとルーテル世界連盟(LWF)のムニブ・ユナン議長が10月31日、スウェーデンのルンド大聖堂で、宗教改革共同記念に当たって署名した共同声明の英語原文を、本紙が非公式に日本語訳したものである。

共同声明
カトリックとルーテルの宗教改革共同記念の機会に当たって
2016年10月31日

「わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない」(ヨハネによる福音書15章4節)

感謝の心をもって

この共同声明をもって、私たちはルンド大聖堂での共同の祈りのこの時について、喜びに満ちた感謝を神に表します。カトリックとルーテルの間で50年続いた実りあるエキュメニカルな対話は、私たちが多くの違いを克服する助けとなり、私たちの互いの理解と信頼を深めるものとなりました。同時に、私たちは、災いや迫害という状況にあることが多い、自らの隣人に対する共同の奉仕を通じて互いに歩み寄りました。対話と共通の証しを通じて、私たちはもはや他人ではありません。むしろ、私たちを分け隔てるものよりも、私たちを一致させるものの方が大きいということを私たちは学びました。

争いから交わりへと移る

宗教改革を通じて受けた霊的および神学的な賜物に私たちは深く感謝する一方で、ルーテルとカトリックが教会の目に見える一致を傷つけてきたことを、私たちはキリストの御前で告白し嘆きます。神学的な違いには偏見や争いが伴い、宗教が政治的な目的のための道具にされていました。イエス・キリストにおける私たちの共通の信仰と私たちの洗礼は、日ごとの回心を私たちに要求するものであり、それによって私たちは和解の働きを妨げる歴史的な不一致や争いを捨て去るのです。過去を変えることができない一方で、記憶していることや、どのようにそれを記憶しているかは、変革することができます。私たちは互いに対する私たちの視界を曇らせている自らの傷や記憶の癒やしのために祈ります。私たちは、過去および現在の、あらゆる嫌悪や暴力、とりわけ宗教の名において表されたものを、断固として拒みます。今日、私たちは、あらゆる争いを脇に置きなさいという神の命令を聞きます。私たちは恵みによって自由にされ、神が絶えず招いておられる交わりに向けて移ることを認めます。

共通の証しに対する私たちの責務

私たちの重荷となっている歴史上のそれらの逸話を超えて行くに当たって、私たちは、十字架に付けられ復活したキリストにおいて目に見えるものとされた、神の慈しみ深い恵みを共に証しをすることを誓います。私たちの互いの関わり方が福音に対する私たちの証しを形作ることを意識しつつ、私たちは洗礼に根ざした交わりのさらなる増大に自ら責務を負い、一方で私たちは自らが完全な一致を達成するのを妨げている残りの障害を取り除くことを求めます。キリストは私たちが1つになり、世が信じるようになることを願っておられます(ヨハネによる福音書17章23節参照)。

私たちの共同体の多くの会員は、完全な一致の具体的な表現として、聖餐・聖体拝領を1つの食卓で受けることを切に願っています。私たちは、全ての生活を分かち合いながらも、聖餐・聖体拝領の食卓で神の贖(あがな)いの臨在を分かち合えない人たちの痛みを体験しています。私たちは、キリストにあって1つになるための、自らの民の霊的な渇きと飢えに応える、自らの共同の牧会・司牧上の責任を認めます。私たちはキリストの体におけるこの傷が癒やされるよう切に願います。これが私たちのエキュメニカルな努力の目標であり、それを私たちは、神学的な対話に対する自らの責務を新たにすることによっても、進めて行きたいと願っています。

私たちは、カトリックとルーテルがイエス・キリストの福音を共に証しし、人類が神の贖いの働きの福音を聞いて受け入れるように招くことができるよう、神に祈ります。私たちは、自らが奉仕において共に立ち、人間の、とりわけ貧しい人たちのための尊厳と権利を支持し、正義のために働き、あらゆる形態の暴力を拒絶することができるように、神に祈り、霊感と励ましそして力を求めます。神は、尊厳や正義・平和と和解を切に願い求めている全ての人々のそばにいるようにと、私たちに命じておられます。とりわけ今日、私たちは、非常に多くの国々や社会、そして数えきれないキリストの兄弟姉妹に悪影響を与えている、暴力と過激主義を終わらせるために、自らの声を上げます。私たちはルーテルとカトリックに対し、旅人をもてなし、戦争や迫害のために逃げることを余儀なくされた人たちを助け、難民や保護を求めている人たちの権利を守るよう、強く求めます。これまで以上に、私たちはこの世界における自らの共同の奉仕が、搾取や飽くなき貪欲の悪影響に苦しんでいる、神の被造世界にも拡大しなくてはならないことに気づいています。私たちは、神の世界をそのあらゆる潜在的な力と美しさにおいて享受する未来の世代の権利を認めます。私たちは、被造世界を大切にする愛と責任のある形へと心と頭が変えられるよう祈ります。

キリストにあって1つ

このめでたい機会にあって、私たちは自らの感謝を、さまざまなキリスト教の世界的な共同体や交わりを代表して出席し、祈りのうちに私たちに加わってくださっている兄弟姉妹たちに表します。私たちが争いから交わりへと移ることにあらためて自らの責務を担うにあたって、私たちは、洗礼を通じて私たちが加えられている、1つであるキリストの体の一部としてそうするのです。私たちは自らのエキュメニカルな協力者たちに対し、私たちの責務を私たちに思い起こさせてくれるよう、そして私たちを励ましてくださるよう、招くものであります。私たちは、自らが今日、表明する祈りを込めた責務を生き抜く上で、私たちのために祈ってくださるよう、私たちと共に歩んでくださるよう、私たちを支えてくださるよう、彼らに求めます。

世界中のカトリックとルーテルに呼び掛ける

私たちは全てのルーテルとカトリックの教区や共同体に対し、私たちの前にある大きな旅を続ける自らの責務において、大胆で創造的になり、喜びに満ち、希望に満ちるよう呼び掛けます。過去の争いよりもむしろ、私たちの間にある一致という神の賜物が、協力を導き、私たちの連帯を深めてくれるでしょう。信仰においてキリストへと近づくことによって、共に祈ることによって、互いに耳を傾けることによって、私たちの関係においてキリストの愛を生きることによって、私たち、カトリックとルーテルは、三位一体の神の力に対して自らを開きます。キリストに根ざしてキリストを証ししつつ、私たちは全人類のための神の限りなき愛の忠実な布告者となるという、自らの決意を新たにするものであります。

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