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シリア内戦:フィンランドの教会、24日まで「アレッポのための鐘」を鳴らす 広がりは世界へ(動画あり)

2016年10月19日22時34分 記者 : 行本尚史 印刷
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+シリア内戦:フィンランドの教会、24日まで「アレッポのための鐘」を鳴らす 広がりは世界へ(動画あり)
フィンランドの首都ヘルシンキにあるカリオ教会。アレッポの爆撃について意識を高めようと、葬儀のメロディーで鐘を鳴らしている。(写真:Henna Aaltonen)
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戦争で荒廃したシリアの都市・アレッポの犠牲者を覚えて暴力に抗議しようと、フィンランド全国にある教会の鐘が鳴っている。ルーテル世界連盟の広報部門であるルーテル世界情報(LWI)や世界教会協議会(WCC)などが14日、公式サイトでそれぞれ伝えた。

同国の首都ヘルシンキの福音ルーテル・カリオ教区がこの企画を始め、フィンランド全国にある少なくとも150の教会とイギリスのロンドンにある1つの教会が参加している。この行動は、国連の日である10月24日(月)まで12日間続けられる。

英国クリスチャントゥデイは17日、アレッポで活動しているカトリックのアニー・デメリジャン修道女がロンドンで語った話として、「キリスト教の修道女、アレッポについて語る:人々が涙もなしに泣き、そして命が存在しない壊れた都市」という見出しの記事を掲載した。また、同紙は14日、アレッポの教皇代牧を務めるカトリックのゲオルゲス・アボウ・クハゼン氏(フランシスコ会)が、アレッポは「生き地獄」になってしまったと警告したと報じた。

フィンランド福音ルーテル教会(ELCF)のカリオ教会牧師見習いであるティーム・ラーヤサロ氏は、一致して鐘を鳴らす理由はアレッポの犠牲者たちに敬意を示し、その状況に対する注意を喚起することだと述べた。「アレッポの子どもたちや非戦闘員の災いを正当化することはできないと私たちは分かってはいるものの、同時に私たちには(戦争を終わらせる)解決策を見つけることができないのです」と同氏は語った。

ルーテル世界連盟(LWF)はこの企画を支援するとともに、さらに多くの教会が参加するよう促している。「文化と歴史が豊かで活気に満ちた都市でありながら、爆撃を受けてがれきと化してしまったアレッポからのおぞましいニュースを見て、世界の本当に多くの人々が無力さを感じています。そこでの人間の苦しみは言語に絶するものです」と、LWFの国際問題担当副総幹事のラルストン・デッフェンバウフ氏は語った。

病院や保健職員、救援隊員らが標的にされている。刑罰もなしに人道法の基本原理に違反しているのだと、デッフェンバウフ氏は説明した。「教会の鐘が鳴っているのは、犠牲者たちを弔い、違反に抗議し、アレッポが受けている恐怖が終わるようにと天地に向かって叫ぶためです。それらが世界中に聞こえるよう、私は望んでいます」と、同氏は付け加えた。

ELCFボルガ教区のビヨルン・ヴィクストロム監督は、一緒に午後5時に毎日鐘を鳴らすよう、全国の教会に求めている。

ラーヤサロ氏によると、フィンランドの諸教会は一斉に鐘を鳴らすことがめったにないという。最近のそのような機会といえば、1986年、同国で56年から82年までという最も長い任期を務めたウルホ・ケッコネン元大統領の葬儀であった。「カリオの教会は2つの鐘で弔鐘を約4分おきに鳴らしますが、それは通常、葬儀で行われることです。メロディーは他の教会では違うかもしれません」と、ラーヤサロ氏は付け加えた。

デッフェンバウフ氏は、ELCFの教会によるこの企画が、シリアの紛争の犠牲者たちを代弁しようとするルーテル派の取り組みをさらに示していると述べた。この紛争によって、推計で460万人が近隣諸国に難民として押し出され、さらに660万人が国内で住処(すみか)を追われた。

LWFとその加盟教会は、ヨルダンのザータリ難民キャンプや、アル・マフラクにある周辺の受け入れ地域、そしてアンマンのような他の都市にいる難民を支援している。LWFは食糧や救援物資、避難所、水、衛生設備、心理的なケアを提供するとともに、学校を修復している。

ヨーロッパ中のルーテル教会は、シリア難民に対して直接の支援を行っており、難民を自らの地域社会に受け入れるためのプログラムを確立している事例も幾つかある。

一方、世界教会協議会(WCC)も、「アレッポのための平和の鐘」はアレッポの人たちに対する悲しみと連帯を象徴するものだとして、この運動を世界に広げようと呼び掛けている。

鐘を一斉に鳴らすことは、感動的な形で霊的に、また祈りにおいて、戦争が続く中で人道危機に直面しているアレッポの人たちのためにあろうとする1つの方法であると、WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トヴェイト牧師は述べた。「鐘を鳴らすことで、私たちは世界中で聞こえる繰り返しとなって共鳴する1つの音で、平和が始まることを思い起こすのです」

WCCは、全ての政府が自国の市民の命と尊厳を守り、人権と基本的な自由を守る義務を負っているという、長年の信念を強調した。

トヴェイト氏は、「とりわけ、あまりにも多くの無実で脆弱(ぜいじゃく)な人々がこういう形で標的にされているとき、アレッポの住民に対して極度の暴力が拡大していることは倫理的に不当であり、非難すべきである」と語った。

2013年4月、シリアにあるアンテオケ・ギリシャ正教会のボウロス(ヤジギ)大主教(府主教)とアンテオケ・シリア正教会のモル・ヨウハンナ・グレゴリオス(イブラヒム)大主教(府主教)がアレッポで拉致された。

「私たちは、アレッポの府主教である、アンテオケ・ギリシャ正教会のボウロス(ヤジギ)府主教、そしてアンテオケのシリア正教会のモル・ヨウハンナ・グレゴリオス府主教を私たちの思いと祈りのうちにとどめています」

トヴェイト氏は「アレッポのための鐘の運動が大きくなるにつれて、平和を求める私たちの呼び声も大きくなりますように」と結んだ。

ACTアライアンスは、LWFやWCCと共に、教会の鐘で平和と祈りを呼び掛ける短い動画を制作した。

アレッポのために鐘を鳴らすこの企画は、南アフリカや米国、オーストラリア、ニュージーランドでも行われており、全世界の教会に参加を呼び掛ける運動が広がりつつある。参加している教会の世界地図など、詳しくは、英文公式サイトフェイスブックツイッターで。ハッシュタグは「#BellsForAleppo」。

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