立教学院展示館が初の企画展「戦時下、立教の日々」 戦後70年で

2015年7月28日20時55分 記者 : 坂本直子 印刷
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企画展「戦時下、立教の日々―変わりゆく『自由の学府』の中で」の様子=22日、立教学院展示館(東京都豊島区)で
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戦後70年を記念した企画展「戦時下、立教の日々―変わりゆく『自由の学府』の中で」が、立教学院展示館(東京都豊島区)で開催されている。今年5月にオープンした同館で開催される初めての企画展で、戦時下の学校生活や地域の様子などを、史料や写真、映像などを通して知ることができる。9月4日(金)まで。

展示は、「通史展示」「映像展示」「トピック展示」に区分けされ、学校法人立教学院が所蔵するものの他に、立教大学の同窓生らから近年寄贈された資料も展示されている。また、特攻隊員の遺品や関係資料を展示している知覧特攻平和会館(鹿児島県)や米国立公文書館が所蔵する写真なども、一つ一つ解説文が添えて紹介されている。

「通史展示」では、1931年9月18日の満州事変から始まり、日中戦争、太平洋戦争、そして終戦という流れの中で、戦争がどのように起こり、進んでいったのかを、当時の新聞や写真などで展示している。また、31年から45年までの戦時下の暮らしが年表でまとめられ、財団法人立教学院だった当時の組織図や、授業の時間割りなども併せて展示されている。

教職たちの戦中の日誌も展示されており、41年12月8日の対米開戦について記した、当時の立教学院総長で立教大学学長であった遠山郁三氏(1877〜1951)の日誌も見ることができる。立教中学校の教務日誌には、開戦の翌9日に校長が靖国神社に参拝したことが記されており、勤労動員日誌と記された日誌からは、開戦以降、生徒や学生たちがペンをハンマーに替え、学徒勤労動員として駆り出されていった様子を知ることができる。

その後、学徒出陣も始まり、立教大学出身の特攻隊戦没者の名前や所属学部などが書かれたパネルも展示されている。通常は同学院諸聖徒礼拝堂内部に掲げられている立教学院関係者の戦没者名が記されたタブレットも特別展示され、見ることができる。礼拝堂は43年に閉鎖されたため、それ以降は戦死してもタブレットに名前は刻まれなくなったが、戦後、戦没者のうち在学中に洗礼を受けた者とチャペル活動に積極的に参加した者などの名が加えられたという。

「映像展示」では、立教大学文学部名誉教授で民俗学者の宮本馨太郎(けいたろう)氏(1911~79)が撮影した映像が流されており、戦時下であっても屈託のない笑顔を見せる学生の様子が映し出されている。宮本氏は同大在学中に映画同好会を作り、仲間と学園ニュースを撮っていた。展示では、残された映像に音声を加えて再編集した映像が流されている。

立教学院展示館が初企画展「戦時下、立教の日々」 戦後70年で
当時の立教学院総長で立教大学学長であった遠山郁三氏の日誌や、立教中学校の教務日誌なども見ることができる。

今回の企画展は、学内だけではなく、近隣の人々にも目を向けている。「トピック展示」では、戦争末期の池袋空襲にまつわる史料や、配給・食糧事情の悪化を伝える町内会で回覧された文書などの他に、同大近くに住んでいた推理作家・江戸川乱歩(1894〜1965)が残した資料なども見ることができる。

展示場を訪れていた同大の40代の男性教員は、「戦後70年で、戦争体験者が減る中、戦争の記録はどんどん風化し、私たちより下の世代では戦争をリアルに考えられないのではないか。過去に同じキャンパスの中で何が起きたか、当時と同じ年代の今の学生が知ることは大切なことだと思う」と語った。

立教学院では、『立教学院125年史』(1999年)の編纂をする中で、戦時下の資料整理や研究の立ち遅れを認識し、2001年から同学院と戦争の関わる研究に取り組んできた。戦後70年の節目となる今年、戦時下研究のこれまでの取り組みをもとに、あらためて戦争を見つめ直す機会としてこの企画展を開いたという。

同館は、「学生だけではなく、地域の住民にもこの機会にぜひ足を運んでもらい、戦争による代償の大きさを理解し、平和の大切さについて今一度考えてほしい」としている。

平日午前10時〜午後6時(8月1日以降は午前10時〜午後5時)、土曜日午前11時〜午後5時開館。日曜日と8月10日(月)〜18日(火)休館。入場無料。アクセスなどはチラシを参照。企画展に関する問い合わせ先は、同館事務室(電話:03・3985・4841、メール:tenjikan@rikkyo.ac.jp)まで。

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