【インタビュー】音楽ミニストリー通訳者・白石りささん 神様の御声に従って

2014年10月21日18時47分 インタビュアー : 守田早生里 印刷
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+【インタビュー】音楽ミニストリー通訳者・白石りささん 神様の御声に従って
穏やかな微笑を見せる白石りささん。さまざまな苦難も「災い」ではなかった。全ては主の計画の中にと笑顔で答える。
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どこか日本人離れした雰囲気と、的確に日本語を使い分ける話し方は、その人が通訳者であると言われたときに納得した。その人、白石りささんとの出会いは、サドルバック・ゴスペル・クワイヤが来日していた9月、通訳者としてステージに登っていた彼女を見たときだった。単に言葉の意味を通訳するだけではなく、その言葉に隠された文化や歴史といった背景をも日本語の中に入れ込む。日本語から英語へ、英語から日本語へ巧みに言葉を変える彼女の仕事ぶりは見事であった。「あの方、FMラジオの元DJさんなんです。今回の通訳は、ご奉仕でしてくださっているんです」と担当者が教えてくれた。

東京で生まれたりささん。父親の仕事の都合で成人するまでに20回の引越しを繰り返した。3歳になったころ、家族と共に米国に移ることになった。3年間、ヒューストンで過ごした後、さらにロサンゼルスで3年、計6年近くを米国で過ごした。

帰国後は日本の学校に通うが、その頃に両親が離婚。高校生になったとき、日本の学校の校則や、先輩・後輩の関係など、見えない縦社会に違和感を感じるようになった。学校の寮に入っていたため、学校での悩みを母親に相談することもできなかった。ひとりっ子だったりささんは行き場を失い、登校拒否をするようになった。その後、米国の高校に転校する。

大学は迷わず米国の大学を選んだ。卒業後に帰国。航空会社で通訳を務め、後に、J-WAVE、Bay-FM、FM横浜などのDJとして活躍。その頃に結婚もした。結婚後すぐに妊娠。長男を授かった。順風満帆、幸せの絶頂にいたりささんだったが、長男の成長に不安を覚えるようになる。

保育園の先生から「呼んでも振り向かないので、検査をしてみたらどうか?」と言われ、まずは耳鼻科に足を運んだ。長男が1歳半のときだった。耳には何の異常も見当たらなかった。次に紹介された国立病院の小児神経科で、愕然(がくぜん)とする診断を受けることになった。

「重度の自閉症の疑いがある」。この医師の言葉に「なんで、私のところに障がい児が生まれてきたの?私が過去に悪いことをしたからかしら?」と何度も何度も考えた。それでも答えは見つからなかった。その頃、次男を出産。幸せと不安を同時に味わった。

当時はまだ自閉症に関する社会の理解もなかった。公共の場でパニックを起こす長男をただ抱え、その場を離れるしか方法はなかった。「なんてしつけの悪い子なのかしら?親は何をしているの?」とでも言いたげな世間の視線が刺さるように痛かったという。うつ病にもなった。「なぜ?なぜ?」頭の中は、不安と疑問と罪悪感でいっぱいだった。

「私はこの子のために何ができるのだろう?」と考え、神社にも行った。お寺にも行って拝んだが答えは見つからない。そんな中、「そうだ!アメリカには教会があった。教会に行ってみたら、答えが見つかるかもしれない」とおぼろげに考えていたとき、仕事上の付き合いがあったクリスチャンの友人が、教会へと誘ってくれた。

その教会で知り合った姉妹が、「スペシャルな母親」という叙情詩を紹介してくれた。読むと、天使たちがどの母親がどの赤ちゃんに最適かを見つけるといった内容の詩であった。中には障がいのある子の母親のことを、「やがて誰もがうらやむような祝福を受けるものとなるだろう」とあった。「聖書の言葉ではありませんが、私はこの叙情詩を読んで、神様の愛に触れた気がしました。そして、これからは神様の言葉に従って生きて行こうと思ったのです」と、うっすらと涙を浮かべ答えてくれた。

4年前には離婚を経験した。「それは、とても辛かった。毎日、毎日、泣いていたが、真っ先に向かった教会では、皆が祈ってくれた」と話す。「離婚の原因に至った夫のことを憎んでいないのですか?」と尋ねると、「いいえ。『赦す』というのは、『すべてをなかったことにする』ことではないと思うのです。相手に対する怒りや仕返しの気持ちを持たないという選択をすることなのです。私のような罪人を赦してくださったイエス様のように、私も人を赦す。抱えきれない全てのことを箱に詰めて、十字架の下に置くことが大切なのだと、離婚という経験を通じて学ぶことができました。でもそのおかげで、私は今、過去の出来事に縛られず、たくさんの恵みをいただけるのです。そして新しい喜びが湧き上がってくるから不思議ですね」と微笑んで答えてくれた。

神の愛に触れて、やっと罪悪感から開放され、自分らしさを取り戻したりささん。現在は教会で通訳や翻訳、音楽の奉仕でも活躍。仕事ではポットキャストで公開されるTOEIC教材の監修も担当している。

「私は、語学という賜物があったから、今までも仕事ができてきた。引越しを繰り返した幼少時代は、友人との別れがあったり、なかなか学校に馴染めなかったりと辛いこともあった。しかし、神様はすべてをご存知で、私のために計画をしてくださったのだと思う。その賜物を神様にために使うことは、私の喜びでもあります。感謝しています」と語る。

「わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである」(エレミヤ29:11)

波乱万丈とも言えるりささんの人生。「私の人生って、振り返ると色々あったなと思います。でも、この聖句で主が言われるように、神様の計画は災いではないのです。必ず希望があり、祝福を受けることができるのです。これからも、神様から離れず、生きていきたい」と笑顔で語った。

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