セクハラ認定で1540万円の賠償命令、パワハラは棄却 ビュン牧師側は控訴の構え

2014年5月28日20時38分 記者 : 内田周作 印刷
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国際福音キリスト教会の卞在昌(ビュン・ジェーチャン)牧師らに対して、セクハラやパワハラなどで元信者の女性4人と男性1人が訴えていた民事訴訟で、東京地裁は27日、セクハラの被害を訴えていた女性原告4人の訴えを認め、計1540万円の損害賠償を支払うよう命じた。一方、男性原告が訴えていたパワハラについては棄却。また、これらの訴訟により名誉を毀損されたとしてビュン牧師側が原告やその支援者に対して損害賠償を求めていた訴えも棄却した。

判決を受け、原告側を支援している「モルデカイの会」(加藤光一代表)は同日、「今回の民事判決では、女性被害者4名が、長期間にわたって被告ビュンからセクハラ(猥褻)行為を受けてきた被害について訴えを提起し、その請求が認容された点で、私たちはこの判決をきわめて高く評価しています」などとする声明文を発表した。一方、国際福音キリスト教会も同日、今回の判決に対するコメントを発表。「この度の判決結果の内容には、一部受け入れがたいものも含まれておりました。この結果に対して、私たちは今後、真実を明らかにするために最善を尽くす所存です」とし、控訴する構えをみせている。

ビュン牧師は、原告のうち1人に対して乱暴した容疑で、2010年に準強姦罪で起訴されている。しかし、この刑事訴訟では、「女性の証言の信用性は否定せざるを得ない。事実を認定すべき証拠は存在しない」として、検察の懲役7年の実刑求刑に対して、無罪が言い渡された。その後、検察が控訴を断念したため、2011年に無罪が確定している(関連記事:ビュン牧師に無罪判決 証言の信用性、否定せざるを得ない)。

モルデカイの会は今回の声明文で、刑事訴訟の結果については「2011年5月20日に言い渡された準強姦刑事事件の判決では、女性被害者一名のみについて、2007年2月17日という特定の1日に限定して準強姦の事実の有無が争点とされ、刑事事件の性質上、提出できる証拠に制限がある等の理由により、その結果は大変残念なものとなりました」とコメントしている。

今回の民事訴訟でも、この被害は訴えられたが、地裁は犯行があったとされる日時が特定できないとして、被害の認定は退けた。

モルデカイの会は声明文で、「私たちは、今回の判決が先例となって、牧師の権威を強調するあまり同じような悲劇を招いている日本の一部のキリスト教会における同種事件の被害者が広く救済され、その人権が回復されるよう、警鐘を鳴らし続けて参ります」とコメント。ビュン牧師とともに訴えた宗教法人「小牧者訓練会」については、「いまだに被告教団(小牧者訓練会)に残っている方々には、今回の判決を重く受け止めて目を覚まし、自らの自由意思ですみやかに被告教団を離れていただきたいと願っています」としている。

一方、棄却されたパワハラに対する訴えについては、判決内容を精査し、今後、控訴するかどうかを検討するとしている。

今回の判決に関するモルデカイの会の声明文、国際福音キリスト教会のコメントは下記のとおり。

■ モルデカイの会の声明文

2014年5月27日
モルデカイの会 (宗教法人『小牧者訓練会』による被害の回復を目的とする裁判の支援会)
代表 加藤光一

2014年5月27日、東京地裁民事第45部(山田明裁判長)は、被告卞在昌(以下、「被告ビュン」という。)、及び被告宗教法人「小牧者訓練会」(以下、「被告教団」という。)に対し、セクハラ被害者である女性原告ら4名の訴えを認め、内2名に対しては、それぞれ金330万円ずつ、内2名に対してはそれぞれ金440万円ずつ、合計金1540万円の損害賠償金の支払いを命ずる判決を言い渡しました。なお、パワハラ被害者である男性原告の訴えは、残念ながら棄却となりました。

一方、被告ビュン及び被告教団による、セクハラ裁判およびパワハラ裁判における原告らの被害主張はすべて虚偽でありこれらの公開等によって名誉を毀損されたとする訴えはすべて棄却されました。

被告ビュンに対し、2011年5月20日に言い渡された準強姦刑事事件の判決では、女性被害者一名のみについて、2007年2月17日という特定の1日に限定して準強姦の事実の有無が争点とされ、刑事事件の性質上、提出できる証拠に制限がある等の理由により、その結果は大変残念なものとなりました。 これに対して、今回の民事判決では、女性被害者4名が、長期間にわたって被告ビュンからセクハラ(猥褻)行為を受けてきた被害について訴えを提起し、その請求が認容された点で、私たちはこの判決をきわめて高く評価しています。何よりも、この判決によってセクハラ被害が認定され被告らに損害賠償責任が課せられたことによって、被害を受けた原告らの人権が守られたことを率直に喜んでいます。この事件によって受けた原告らの心の傷も大いに癒されると信じています。

本セクハラ裁判およびパワハラ裁判は、いずれも、被告教団の内部で起きた忌まわしい事件に関するものであります。これらの事件に共通する問題点は、

(1) 主任牧師である被告ビュンが、自らを霊的指導者であるとしてその絶対的権威を説く権威主義的な教会政治を行い、このことによって、被害者らが主任牧師や上位教職者には絶対に服従しなければならない、その失敗も絶対に責めてはならないと信じ込まされたこと。

(2) その絶対的権威を利用して主任牧師や上位教職者が不法行為を行ったこと。

(3) 主任牧師や上位教職者を責めること自体が罪であると被害者に信じ込ませ、逆に、教会内部において訴えるものを非難する風土を醸成し、これらの被害事実を隠蔽してきたこと

であり、事件発生の背景と原理が共通であります。

今回、裁判所が事件の起きた背景にまで踏み込んできわめて公正な判断を下したことに対して敬意を表するとともに、法廷の場で真摯かつ粘り強く原告らの人権を擁護してこられた弁護士の諸先生方に心からの感謝を捧げます。また、祈りと献金によって長期間にわたって裁判を支えてこられた支援者ならびに超教派の牧師の方々に深甚の謝意を表します。

なお、パワハラ裁判については訴えが棄却されたことは大変残念に思っております。これについては判決内容を精査し、今後、控訴するか否かを検討する所存です。

私たちは、今回の判決が先例となって、牧師の権威を強調するあまり同じような悲劇を招いている日本の一部のキリスト教会における同種事件の被害者が広く救済され、その人権が回復されるよう、警鐘を鳴らし続けて参ります。

同じような被害に遭いながら、またそのような認識を持つことを制約されて、いまだに被告教団に残っている方々には、今回の判決を重く受け止めて目を覚まし、自らの自由意思ですみやかに被告教団を離れていただきたいと願っています。

以上

■ 国際福音キリスト教会のコメント

民事裁判 一審判決について

主の御名を賛美いたします。

いつも私どもを覚えて、お祈りで支えてくださっていることに心から感謝いたします。

2009年より行われてきました民事裁判の一審判決が出ました。この度の判決結果の内容には、一部受け入れがたいものも含まれておりました。この結果に対して、私たちは今後、真実を明らかにするために最善を尽くす所存です。

すべてのことを働かせて益としてくださる主にゆだねつつ、再審請求を行ってまいりますので、今後ともお祈りをよろしくお願いいたします。

栄光在主
2014.5.27
国際福音キリスト教団 教職者一同

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